「きのこの山」が立体商標登録!知的財産の面では「たけのこの里」に勝利!?
「サムライツ®」の弁理士、保屋野です。
チョコレート菓子で有名な「きのこの山」の立体形状が、
3月30日付で商標登録されたことが話題となりました。
https://www.sankei.com/economy/news/180510/prl1805100193-n1.html
「きのこの山」といえば、同じ株式会社明治から発売されている
「たけのこの里」と並んで、約38年に渡って愛されているロングセラー商品でおなじみですよね。
「きのこたけのこ戦争」といって、どちらが美味しいのか?を
消費者同士で論争する、なんて光景もよく見られます。
かつて1年間だけ販売された「すぎのこ村」というのもありました。
今ちょうど「きのこの山」「たけのこの里」国民総選挙というキャンペーンをやっていて、
どちらを応援するか?というネット投票を実施しているのですが、
「たけのこの里」がかなりリードしている様子です。
https://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/kinotake/cmp/2018senkyo/
私はちなみに…「たけのこの里」が好きです。
ただし、知的財産の面では「きのこの山」の方がリードしていると、フォローさせていただきます。
どちらも文字の商標としては、3件商標登録されていますが、
「きのこの山」はパッケージのデザインも商標登録しています。
そして今回はさらに、「きのこの山」の立体形状が商標登録されたんですね。
立体商標というんですけれども、
商品や商品の包装の形状自体を立体商標登録することは、実は結構難しいことなんですね。
以前、キッコーマンの醤油瓶の形状の立体商標登録について解説しましたが、
商品や商品の包装の形状自体は、よほど消費者に認知されていて「見ただけでどこの商品かわかる」ぐらいにならないと、登録が認められないのです。
「きのこの山」の形状も、一度は審査で拒絶されてしまったのですが、
これまでの販売実績や認知度調査の結果などを証拠として提出して、
なんとか、登録が認められたということです。
商標は10年ごとに権利を更新できるため、
登録された立体商標は、半永久的に他の業者が無断で使用することができなくなります。
つまり、かなり強力な権利なんですね。
「たけのこの里」の方は、今のところ立体商標登録の予定がないみたいですが、
「きのこの山」の方は、国が認めた立体形状ということで、
今後も変わらずに愛され続けるのだろうと思います。