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【私の職業病】お便りのタイトルが気になる
以前、私の職業病についての記事を書いた。
丁寧に書こうと思っても、勝手に字が走り出す、といったものだ。
他にも、「これは職業病やな……」と思うことがあるので、それについて書きたい。
小さい頃から活字を読むのが好きだった。本はもちろん、それでなくても、チラシや商品説明の細かい部分もついつい読んでしまう。ファッション誌を買っても、1番最初にページを開くのは文字がある特集ページや取材記事。写真よりも文字が気になる習性。
そして今、私は取材をして原稿を作成したり、媒体の企画を考えたりする仕事をしている。習性が活かされている、と言えるのかもしれない。
企画のタイトルを考えたり、キャッチ、本文、キャプションなどを作成する。そんな仕事。
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小学生の娘はよくお便りをもらって帰ってくる。月のスケジュールなど見逃せないものから、軽く目を通してぽ~い!とゴミ箱行きのものまで様々だ。
そんなお便りの、タイトル(大見出し)が気になる私。
ついつい目がいってしまい、なぜこれを大きくしたのか……など思案してしまうのだ。
例えば、つい先日もらってきた学校からのお便り。学校便りと学年便りに分かれていた。それぞれの大見出しはこうだ。
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今年はプールに入れます!
(学校便りより)
暑くなってきました!
(学年便りより)
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いや~シンプル。実にシンプルかつストレート。
学校便りの“今年はプールに入れます”なんかは、これが重要なトピックだということはわかる。今小3の娘、一昨年は1回もプールに入れず、昨年も1回だけ。入学してからほぼ水泳の授業がなかったので、これは大見出しにすべき事案だ。プールに入れる!やったぜ!!!イエーイ!!!という気持ちがにじみ出ている。素敵なタイトルだ。
学年便りに関しては、“暑くなってきました!”。いや~ほんと、そうですよね、としか言いようがない。営業シーンの使い古されたアイスブレイクを、ここまで太字でやられると、一気に引き込まれるではないか。逆に味わい深い。
…………てな具合でタイトル(見出し)がいちいち気になる。目がいってしまう。
しかしながら、大体は全く頭に残らないものが多い。ひっかからないのだ。まぁ学校からのお知らせなので、親をひっかける必要など皆無なのでそれで良い。そんなことは重要ではない。
そんな中、未だに覚えているタイトルがある。
それは確か、一昨年の学童から娘がもらってきたお便りに書かれていた。夏休みが終わったくらいのタイミングだったと思う。
お便りには大きく下記の文言が躍っていた。
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コロナと猛暑のWパンチ
(学童のお便りより)
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一昨年はコロナもあったが、夏が例年に比べ暑かった。市の基準で学童でも気温が何度以上になったら外で遊べない、というものがあるので、その年の夏休みはあまり外でも遊べていなかったように記憶している。
密も気をつけなあかんし、かと言って外にも出れないし。学童の人数も上限にせまる勢いで、ほんまどないせーっちゅーねん!という先生の叫びが文字を通して聞こえてきた(本当いつもありがとうございます)。
これはすごいぞ。この短い文言から強いメッセージを感じる。やっぱり気持ちが入っている言葉は伝わるよな……なんて、目が離せなくなった。
お便りだけでなく、警察から届く不審者情報のメールや、看板、ネットニュースの写真下の文言(キャプション)なんかも気になる。
「これは!」というものがあったら、いつも会社の後輩女子におもしろ報告として送りつける。その子も、同職種でしかも色々おもしろがりたいタイプの子なので、色んなことを共有していつも2人でこそこそ盛り上がっている。彼女も職業病とまではいかないが、その傾向があると言えるだろう。いつも私のくだならない話を楽しそうに聞いてくれて、もう感謝しかない。
少し話が逸れたが、「なんでこの言葉をここに置いたのか?意図は?どういう流れで……?」など、考えるのってとても楽しい。
こういうところばかりに目がいく私。肝心の重要な情報(学校早帰りの日とか)が目に入ってなかったりするから、「ほんま、そういうとこやぞ」と自分に言ってやりたい。色々、しっかりしたい。頑張ろう。
だがしかし、これから先、この職業病は100%治ることはないだろう。
そう言い切れるほど根深い、最早これは私の“癖”なのである。