猫の鳴きまねに自信を持つ4歳児
先日、保育園のお迎えに行った際、先生からお話があった。
「年上の男の子に目の上を少し叩かれてしまって……。ちょっと痛がってましたが、見た感じ何もなってないかな……?という感じで。すみません~!」
息子の顔を見てみても異常はなく、全然問題なさそう。
「あ~そうですか。見た感じなんもなってないですね!わかりました~!大丈夫です」
小さい子同士の揉め事なんて日常茶飯事だろう。息子は外で猫かぶりタイプなので、こういった話は多くない。先生も丁寧に謝ってくださり大変よなぁと全く気にせず、保育園を後にした。
そして、ご飯を食べてお風呂の時間。息子と2人きりになる瞬間があった。
あ、そういえば……と思い、息子に聞いてみた。
「●●くんに目叩かれちゃったん?なんでそうなったん?」
「〇〇〇(息子の名前)が●●くんの腕をちょっと掴んだら、目をぱーんって」
「そうなんか。痛かった?なんで腕をちょっと掴んだん?」
「ちょっと痛かった。う~ん……。なんでかは言いたくない……」
息子は自分にとって嫌な話はあけっぴろげに話さず、秘密にしようとするようなところがある。まぁどの子もあるかな。
「そうか。わかった。先生はそれを見てたんかな?どうなったん」
「先生は、●●くんに注意してた」
「どんな風に言ってた?」
「え~難しい。先生の真似するのは難しいなぁ……」
え?真似?話の内容を聞いているんであって、物真似してなんて言ってないけど……。
「猫ちゃんの真似やったらできるけど……」
え?猫の真似?
「にゃお~。にゃ~!」
噴き出す私。そしてなかなかに高いクオリティ。
「にゃお~。お母さんもやってみてよ」
「え?お母さんも?良いよ。にゃ~~」
息子は満面の笑み。私は子どもの頃、動物好きが高じて、犬や猫の鳴き真似の練習をよくしていたので、なかなか上手なのだ。そのスキルが今、活かされている。
「にゃお~」「にゃー!」
お風呂に響く猫の鳴き声。
「じゃあ、次はライオン。ガオー!」
「そして、オットセイはアオッアオッ!」
「羊は~めぇぇぇぇぇ!」
ノンストップで続く、息子の鳴き真似。
「羊よ!羊めっちゃうまいやん。もう1回やって~!」
「めぇぇぇぇぇ、めぇぇぇぇぇ!」
『ぇぇぇぇぇ』のところ、振動が出るように頭を揺らしながら、鳴いている。めっちゃうまい。そしておもしろ可愛すぎて笑う。
「あ~羊、最高やったなぁ」
なんて言いながら、お風呂を出た。あれ?保育園の揉め事の話を聞いてたんじゃなかったっけ。まぁ別にどっちでもいいか。
先生はなんて言ってた?の質問から、まさかの動物鳴きまね合戦に。
ん?
あまりしたくない話題を振られた時、それとなく違う話で話を逸らし煙に巻くって私の得意技やけど、まさか4歳児がそれを……?
いやいや、これは、息子のハートフル天然マジックだったと信じることにしよう。4歳児の天然パワーには何も叶わないのだ。