息子(6歳)が観ながら大騒ぎをするアニメとは
テレビを観ながら、テレビに全力で話しかける。
世の中には少数派かもしれないが、一定数そういうタイプの人がいる。
私はというと、テレビを観ながら声を出して笑うことがあるが、話しかけることはない。
周りにもそこまで話しかける人はいないが、1回だけすごい人材に遭遇したことがある。
大学時代の話なのだが、私は軽いタッチのテニスサークルに所属していた。テニスだけでなく、みんなでスポーツしよう!といった感じのゆるめのサークル。夏はテニス合宿・冬はスノボ合宿、という絵に描いたようなサークルライフを送っていたのだが、その冬のスノボ合宿に行った際の出来事だった。
スノボを終え夕食を済ませ、少し眠かった私はベッドで仮眠を取っていた。その時、部屋に後輩たち(女)が遊びに来てくれていた。他の子が買い出しか何かで部屋を抜け、女子(Mちゃん)1人が残っているような状況で、Mちゃんはテレビを観ていた。
私はうつらうつらしながら、そろそろ起きようかな~なんて思っていた。
「え~なんやろ~?〇〇〇!!!」
突然、向こうの部屋から大きめの声が聞こえてきてビクッとなる私。
あれ?今向こうMちゃんだけしかいないんじゃなかったか……。
「あ~ちゃうんか!!!△△か~!!ははは~」
え?誰かおるんか?
「なんやねんそれ~!!ちゃうやろ~!!!」
Mちゃんは結構な声量で、誰かと話している。
今、他に誰もいないはずではなかったか……とはっきり目が覚めた私は、隣の部屋へそろりそろりと移動した。
「ほんまに~!!なんでやねん!!!」
そこで目にしたのは、テレビのクイズ番組に全力で参加しているMちゃんだった。正直、まじか、と思うくらいの勢いでテレビに話しかけていた。軽いカルチャーショックだった。
「あ、しばまるさん~!起きました~?これ食べます~?」
立ち尽くしている私に何事もなかったように、話かけてきたMちゃん。
こちらもなぜか突っ込むことができずに、何事もなかったかのように話を続けた記憶。
このように、全力でテレビにリアクションをする人は一定数いるのだ。
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ここからが、息子(6歳)の話。
息子はamazon primeでアニメやら戦隊ものやらを観る時間を楽しみにしている。観る時間はなんとなく決めていて、そこで何を観るかは本人の自由。
最近は、姉と一緒にドラゴンボールにハマっていたり、推しの子(意味わかるんか?)や、過去の仮面ライダーをさかのぼったりして楽しんでいる。
その中で、ことさら息子のリアクションが大きくなるアニメがある。
前述したMちゃんを彷彿とさせる勢いなのだ。
アニメがある、ともったいぶって書いたが、それはかの有名な『トムとジェリー』だ。
私も詳しい訳ではないのだが、1940年からあるアニメらしい。いつも息子が視聴している際は横目で見ているのだが、トムとジェリーが追いかけっこをしながら、大騒ぎをする感じのドタバタコメディである。
これを観ている時の息子の騒ぎっぷりが、すごくて笑える。
「え?え?ひゃ~~~!!!!!」
「え~~うきゃ~!!!!あはははははは!!!!」
「わわわわわ~!あ~~!ひぇ~~!!!!!」
顔を手で覆ったり、飛び跳ねたりしながら、いたずらを仕掛けてひっかかる様子を見て大爆笑しているのだ。
え?そんなに?っていうほどの勢い。
「ちょっとちょっと」と言いながら、息子の様子を見て笑っている私。
そんな様子を見て、大学時代のMちゃんのことを思い出した。
息子がそこまでリアクションをするのはトムとジェリーだけではある。しかし、将来的にMちゃんのように全力でテレビに参加をする人材になる可能性を秘めているのかもしれない。テレビにあれやこれやと突っ込む男になるのだろうか。
長年愛されているものには理由があるんやな、なんてトムとジェリーの子どもを引き付けるパワーに感心しながら、息子の行く末に思いを馳せる私なのであった。