美術館に行くと、今までと違うものが見えるようになるか?その18
大浮世絵展 江戸東京博物館 2020年1月8日(水)
今日の一枚は、東洲斎写楽「三世大谷鬼次の奴江戸兵衛」。
悪人の江戸兵衛が気弱な浪人を脅迫してお金を奪おうとして、まさに襲いかかる瞬間の江戸兵衛。そう思って見ると、両手にはグッと力がこもっていますし、目は冷静に相手を見据えています。
喜多川歌麿の美人画の女性は、みな同じような顔立ちで、微妙に違いを表現しているような浮世絵でした。その歌麿を見てからの写楽でしたので、写楽の浮世絵では、顔の特徴が誇張されていたり、歌舞伎の役どころの心理(怯んでいるとか、脅しているとか)まで描き出されていたり、そういう点が、よく伝わってきました。
ということなのですが、葛飾北斎のスゴさも感じた美術展でした。
今回の大浮世絵展は、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳の5人の浮世絵を世界中から集めたもので、5人をまとめて見ることができます。
そのなかでも、葛飾北斎の天才性が突出しています。水の描きかたの迫真性なんて、一枚上手と思わせるものがありました。
今年は東京五輪があるので、多くの外国人が来日します。外国人に人気の浮世絵の美術展もたくさん開催されます。色々な浮世絵に出会えることが楽しみです。