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劇場版ベルサイユのばらを鑑賞
10代の頃週刊マーガレットで連載真っ最中だった「ベルサイユのばら」を私はほぼ未読で過ごした。実家は新刊書店(いわゆる町の本屋さん)でもちろんベルばら掲載誌も販売していた。
もとから少女誌は読んでおらず、サンデー・マガジン・ジャンプが必読誌だったのもあるが、学校から家に戻るころにはマーガレットは売り切れていたのだ。読もうかな?と思ったら時すでに遅しだったワケだ。
是非にも読みたかったら方法はあったと思う。けれどそこまで必死にならなかったのは、少女漫画特有の画風が苦手で、更にはよほどキャラが立っていないと誰が誰なのか識別できなかったのだ。
そんなヤツが何故わざわざ劇場に見に行ったのか?といえば、理由は二つある。
一つは「本当に二時間弱で革命が完了するのか?」見てみたい。
もう一つは「大人になってから原作を通しで一度くらいしか読んでいない人間が恐らく端折りに端折った映画を理解できるのか?」と気になったからだ。
見終わったので一つ目は「ちゃんと革命してたよ!」と報告したい(笑)
そして二つ目は非常に面白い状況になり、個人的にものすごくワクワクしつつ映画を鑑賞した。
ここで少し説明したい。
私は生まれも育ちも東京である。
なので大概のアニメはリアルタイムで見てきた。(年齢的にもv)
しかも実家が本屋である。
ほとんどのコミックは読める状況だった。
(そりゃー手塚先生の『新宝島』とか貸本時代の既刊とかは無理だけどさ)
つまり後年になってリメイクやリブートしたアニメを見るにあたり、その元となる作品は履修済での鑑賞になる。
直近なら機動戦士ガンダムジークアクスは、テレビ版機動戦士ガンダムの第一話と何が、どう違うのか?も、どこを、どのようにパロディとしたのか?もふつうにわかるし、普通に楽しめる。
あとから元ネタを履修する必要などないのだ。
だから元ネタを知らない知り合いから「面白かった?」とか「どうだった?」とか聞かれても的確に感想を伝えられないし、簡単に面白かったのかを言えないできた。
上手に解説ができない、お知らせできないもどかしさをいつも味わってきたわけだ。
だがしかし!今回は途中がさっぱりわからない(笑
「この元を知らないで見てる人はどんな風に感じているのだろう?」を実感できたのだ。
恐らく原作を熟知していたらあのミュージカルでございます演出の素敵な楽曲と共に展開される宮廷内の様々な事件やら事象は手に取るように分かるのだろう。
けれどもワタシはさっぱり分からんwww
なんとなく首飾り事件とかあったな?とか、古参のお貴族夫人のアントワネットいぢめ事件とかあったかなぁ?と古い記憶を掘り返すも的確な何かに行き当たる事はない。どれもこれも「なんとなくあった」事象に過ぎない。
コレがキモなのだと思った。だから元ネタご存知ない勢は改めて原作を当たるのだ。
原作や元ネタ知らなくても面白ければ後から掘ればヨイのだ。ベルばらは初めて「知らない」をワタシにもたらしてくれた。
さて、大河ドラマ的な原作のアニメ化という意味で、この作品は非常に素晴らしい。服飾に関してもしっかりと時代考証されているらしい(服飾は専門外なので詳しい友人に聞いたv)背景美術が素晴らしい!ベルサイユ宮殿内の意匠やら装飾は当然ながら、宮殿内や各キャラクターの邸宅や私室に飾られる絵画もきっちりと考証されている。途中からこの背景に飾られる絵画をチェックしまくっていた。
また忘れてならないのが近代市街地戦に繋がる市民革命における戦闘の描写だ。戦列歩兵で推し進める近衛兵団。迎え撃つ市民有志たちはいわばゲリラ戦だ。火器は敵さんのを頂戴してしまう。この時代は先込銃ではあるが、既に火縄の次の段階(火打石で着火する)に移行している。それもきっちりと描かれていた。ありがとう♡ありがとう♡
別に本編はフィクションなのだから細かく描く必要などないかもしれない。でも、しかし、けれど…。
どっぷりとその世界に浸っていたいオタクはやはり気にしてしまうのだよwww
わたしと同年代でリアルに連載時にハマった方はご納得いかない部分も多々あったかもしれない。
でもね、たまたま休みになった平日の真昼間。
シネコンの300人程度収容のスクリーンの7割が私と同世代或いは一回り程下の女性(ベルばらマダム)で、彼女らは今回メインのオスカル様の一挙手一投足にドキドキはらはらされ、ラストに近づくとどなたもハンケチを出してハラハラと零れる涙を拭っていらした。
イイじゃん!!それだよ!!
素敵マダムに乾杯だ!!(毒ワインじゃないよ?)(てゆか、アンドレ怖ぇよ)
最後に一つ。
私はBBAなのだが、男性向けのゲームや作品がことのほか好きである。
今も「学マス」やっておる。
ちなみに提督歴は10年を超えた。(推しはゆっかじぇっす)
なのでいまだかつてオタ向け映画ではほぼ「オンナ俺一人」が通常だった。
(近年では禁書劇場版の三回目の新宿はマジで100人程度なのにオレ一人状態で半笑いになった)
でもベルばらは違ったv
たくさんの女性が周囲でシクシク涙を流されるのは、非常に稀有な状況で一人でワクワクしてしまった。
ごめんなさい…( ;∀;)