風邪をひいた。 仕事をしていた時はめったなことでは体調を崩さなかったのに(ストレスによる慢性的な頭痛腹痛は除外する)自堕落な生活をしているとどうやら免疫力が下がるようで。 私は過去に二度、無菌性髄膜炎を患っているので免疫力が低下するとそうならないか怖々生きている。 今回は風邪でよかった。 熱が出そうで出ない。三十六度七分から九分のそこを、いつも彷徨う。 いっそのこと、がががっと熱が出てくれたら素直に諦めがつくものを、いつもふよふよと微熱にならない微熱で燻る。 しかし確実に喉は
歯医者に行った。 十六時半から予定があったが、歯医者が思ったより早く終わり、三十分ほど身体が空いてしまった。 どうしようかと考え、ヒラキへ行こうと思った。梅雨入りする前に雨用の靴が欲しかったから。 うちの近所のヒラキは小さな商業施設の二階にある。 自動ドアをくぐった先にある階段に続く道は、左がマクドナルド、右がたまに何かの勧誘をしているイベントスペースになっている。 私はいつも気まずいのでマクドナルドを見ずに右を見ながら歩くのだが、その時はイベントスペースで催しをやっていた。
いつになったら一人前になれて、いつになったら死にたいという願望が尽きるのだろうか。 廃材として生き続けている私には、到底叶わぬ願いなのだろうと毎日絶望しながら生きている。 絶望しながらも死ぬ事が出来ないのは、本当に私がしょうもなく、何も生み出すことが出来ない無意味で無価値な人間なんだという証明だ。最早人間でもない。犬。それだけが、私が唯一掲げることが出来る生きている理由。 幼い頃から母より、 『生きているには理由がある。何かを成し遂げる使命がある。目標を掲げて常に生きていなさ