ChatGPTダイエット
chatGPTの登場により一気に脚光を浴びたAI技術だが、これからの時代大切なのは、質問力なのだそうだ。
今後AIがさらに発達して、人間の代わりにAIが判断や作業を行う時代が来る事はほぼ間違いない。そんな時代に必要な能力は、AIを使う能力だというのである。自分が望む回答を、いかに効率よく生成させられるか。その能力こそ、これからの時代に必要なものだという。
いわば、AIを部下としていかに上手に使えるかが、これからの生きる力になるという事である。文章やプログラムを生成できる、最強の指示待ち部下のAIに、的確な指示を出して仕事をさせる力こそ、これからの時代に必要な能力なのだ。
その点僕は、PythonでAIを自作するほど、AIには精通している人間である。最近も競馬AIを自作し、勝ち馬を的中させたばかりだ。
僕程の人間になれば、日常のあらゆる問題を、AIを使って解決できるようになる。
そう、ダイエットであっても。
僕は半年くらい前から、なんとなくダイエットをしてる感じの行動を繰り返している。ダイエットのレシピ本を買って帰りにラーメン食べて帰ったり、痩せる入浴法を試しながら風呂場でガチビールを6本飲んだり、痩せる鍋の締めに乾麺を3玉入れたりなど、ダイエットしてそうな行動を繰り返してきた。当然、痩せるわけもない。
とはいえ30歳を過ぎて、お腹に肉がついてきたのも事実なのだ。これまではちょっと食事に気をつければ、体型なんて戻っていたのに、今ではお腹は出っ張ったままで、なんなら気にする前より体重は増えている始末。そろそろ本気で始めないと、「けつデカプリオ」という謎のあだ名をつけられていた高校時代に逆戻りしてしまう。それだけは避けなければならない。
そしてダイエットを決意した後、出てくるもうひとつの大きな問題が、ダイエットレシピだ。ダイエットレシピの満足感の無さが、半端なすぎるのだ。
大体ダイエットレシピとやらは、すぐに「少量でも満足感たっぷり!」とかを謳い文句としてレシピを紹介する。「私はこれで10キロ痩せました!」といって、30グラムのオートミールを水で膨らませた炒飯を、鼻高々で紹介する。
私を舐めないでいただきたい。
少量で満足感など、感じたことなど無いのだ。
少量は、少量なのだ。いくら食べ応えがあろうが少量は少量で、いつ何時でも我々は大盛りでなければ満足できない体なのである。
かと思えばダイエットレシピは、「いくら食べても太らない!」などと言い出したりするでは無いか。何かと思えば「脂肪燃焼スープ」。5リットル飲めとでもいうつもりなのか。こっちは、500ミリのコーラを、ヤクルトだと思っているんだぞ?
そんな人間にとって、通常のダイエットレシピなど無意味なのである。少量で満足感など感じられないし、いくら食べても太らないスープなどむしろ他のおかずの量を増やしてしまう。僕に必要なのは、味を度外視して本当にカロリーが無いものをお腹に詰め込みまくるだけなのである。
こんな時こそAIである。カロリーゼロの食材だけを使ったレシピという、僕のダイエットに必要な情報を効率よく作成させれば良いだけなのだ。
chatGPTを開き「あなたはダイエットレシピに詳しい管理栄養士です」と、まずは役割を指定する。そして、「月曜日から金曜日までの夕食レシピを、次の食材だけを使って作成してください」と指示をして、こんにゃくやセロリなど、ネットで出てきたダイエット食材を片っ端から並べて行った。
御飯やパスタのような炭水化物を除くことで、本当の意味でいくら食べても太らないレシピを作ることができる。これまで数多の料理本が達成できなかった偉業を、僕はAIという技術で完遂するのである。これからの時代は、このようにAIを使う能力こそが大事なのだ!
いきなり米炊いてるやないか。
後。
サラダは主食じゃないからな。
お前俺のこと、水素水飲むタイプやと思ってる?
まぁ、仕方がない。chatGPTは対話型AIだから、間違いを指摘しながら求める回答を引き出さねばならない。ごはん・スパゲッティを使ってはいけないことと同時に、サラダが主食で無いことを伝え、再度作成を依頼する。
わかってくれたらいいんや。
だから米炊いとるやないか。
電源引きちぎるぞ。
そういや競馬AIも作ったけど、その日他の予想全部外れて2万円負けだったなぁ、なんてことを思い出しながら、そっとパソコンを閉じ、ウーバーイーツで唐揚げ弁当を注文した、休日の夕方でございました。
どうしてダイエットレシピを質問していた人間が、翌週には体重が2キロも増えているのか。
次はそれをchatGPTに、聞いてみたいと思います。