ラジオショッピングの技
この前車でラジオ流してましたら、ラジオショッピングでカバンが紹介されてたんですよ。
ラジオでカバンってなかなか攻めたなぁとか思いながら聞いてたんやけどさ、どうやら正装用のかっちりした女性用カバンらしいんですよね。
「黒ならなんでもいいと、思っていませんか?」
テレビショッピングはそんな謳い文句から始まります。
んで「黒は黒でも礼服の黒って全然違うように正装用は違うんです!」みたいに上手に紹介しよるんですよ。
確かにさ明日葬式って言われたら、カバンどうしようとか困りそうなもんやないですか。デザインとか機能とかじゃなくて、持ってるか持ってないかやないですか。
それで行くとさ、むしろラジオの方が余計な情報が無くて、いいんかも知らんなぁとか思ってさ、やっぱプロは目の付け所がちゃうなぁと思って聞いてたんですよね。
「なんとこれは職人が手作りしていて、1日に2個しか作る事ができないんです!」
はへぇー
「なんと今回このフォーマルバックと、袱紗、お念珠入れ、手提げバックをおつけします!」
ふぇー
バックにバック付いてくるんやぁ
チャーハン、ライスセットみたいなもんかぁー
「お値段なんと!!」
「ジャスト1万円!!」
うおぉぉぉ!
分からん!!
と同時に思ったんですよ。
この職人さんどんな人なんでしょうね。
だって、1日2個しかカバン作れない人ですよ?
売り子が10%取って行って、そのほか材料やら袱紗やら差っ引いてさ、職人に入ってくる金なんてさ、せいぜい1個3000円でしょ。って事はさ、職人って言われてるこの人、一日6000円でずっとカバン作り続けてるわけやん。
一日仕事は8時間でしょ?
時給は800円弱やないですか。
そう考えると「職人」って言われて想像していたおじいちゃんが、だんだんパートのおばちゃんに変わっていきやしませんか?
手作業は手作業やけど、職人と言われれば職人やけど、多分ニュアンスは違うやないですか。感覚的に職人さんって、もうちょっとお金を貰ってそうやし、払う側も技術に金払う気持ちが出るやないですか。
そんな中で時給800円って聞くと、ちょっと見方変わっちゃう気がするんすよ。
急にそのバックが、そこらへんで売られてる、量産バックのような気がして、仕方がなくなってくるんすよね。
1日数個しか作れない的なやつを、値段勝負の人らが謳い文句で使うのは、なんか不思議な思いがするもんでございますわね。