日記(2020/10/5):今日は大腸内視鏡検査の日です(39歳確か3回目)
1.ここはなんだ?
確か35歳の職場での健康診断の検便の際に、「便に血が混じっており、精検されたし」と言われ、初の大腸内視鏡検査の結果、ポリープが見つかり、取ったのでした。
それ以来、念のため36歳にも2回目を受け、「次は3年後でよい」と言われ、今回39歳なので、3回目を受ける。ということにしたのです。
ここの記事は、大腸内視鏡検査を受けることが要請されているが、受けるのが怖い。という人向けに、安心と便利のために書かれた記事です。
2.何のために受けるのか?
大腸がんや、大腸がんに育つ可能性のあるポリープ(肉の芽みたいなやつ)の、早期発見のためです。
なお、大腸に挿入する細長いケーブルの中には、カメラの他に、ポリープを焼き切るための特殊な電熱ワイヤーもあるので、ポリープ発見時には直ちにプチンして手術完了となります。
そういう意味では、これは見敵必殺(サーチアンドデストロイ)のためでもある。
(注:ここまで高火力の見敵必殺は行いません)
3.それを受けないとどんなリスクがあるのか?
大腸がんのリスクの話をします。私の場合、父がそうだったのです。
大腸がんは、自覚症状が出るのが遅い。特に下血がある場合、だいぶ進行していて、どうにもならない可能性があります。
私も目の当たりにしてきたし、在宅介護もしてきたのですが、父は、死ぬまでの数年間、かなりえげつなく苦しんでました。
数年間、それでも生き続けた父は、とてつもなく偉かったのですが、私はあそこまで苦しみたくないな。というのが正直なところです。
あれに比べれば、早期発見、見敵必殺のために、1~3日、若干耐えた方が、はるかにQOL(生活の質)と日々の苦痛が少ないはずです。
特に、私は父の子だ。万一のこともある。定期的にやった方がいい。
なお、耐える内容としては、
「予定に1日と1~3日を開ける」(職場がいい顔をしない可能性がありますが、病死のリスクは、たいていのことに優先されます)
「空腹に耐える」(人によってはダイエットの際によくあることなので慣れる可能性がある)
「採血の注射に耐える」(定期的な血液検査に慣れていると慣れる可能性はある)
「うまくはない液状の下剤に耐える」(これは舌で味わうことのないよううまく耐えて下さい)
「下痢に耐える」(人によっては季節の変わり目によくあることなので慣れる可能性はある)
「場合によれば腰への麻酔剤・筋弛緩剤の注射に耐える」(定期的な血液検査に慣れていると慣れる可能性はある)
「肛門へのケーブルの挿入の違和感に耐える」(ウォシュレットに慣れていると慣れる可能性はある)
「大腸全体へのケーブルの挿入の違和感に耐える」(これは深呼吸等でうまく耐えて下さい)
「場合によっては入院の退屈に耐える」(病院なので、音が出ないコンテンツを持っていくといいでしょう。本とか持っていきましょう)
などです。
父のがん闘病生活を在宅介護していたので、断言してもいいですが、これらは全部、がん闘病生活に耐えるより、圧倒的に「楽」です。
4.事前検査(1~2ヶ月前)
大腸内視鏡検査が可能な病院等に、大腸内視鏡検査のための事前検査を電話予約します。(私は市内の総合病院で受けています)
適正な診療科につないでもらえるので、まず日時を決め、持っていくものの確認をします。
行ける日にしましょう。というか、その日に行くために、(あれば)有給休暇や病気休暇を取っても、かなりの割合で許されると思います。
有給休暇や病気休暇がなければ職場に交渉しましょう。病死のリスクは、たいていのことに優先される。というのは、常識として広く受け入れられていると思います。
念のためスマホで交渉の会話を録音しましょう。あらかじめ録音の練習をして、スムーズに出来るようにしましょう。これは無条件で初手でやるべきです。
ここで人事が「テメーの病死のリスクなど知るかくたばれボケ」と言い出したら、この録音データを労働基準監督署や裁判所に提出すると、うまくいくと多額の金が手に入るかも知れません。
そう言い放つ職場は、要するに福利厚生をナメ切っているので、給与も賞与もゴミみたいな額である可能性がかなりあります。何なら民事訴訟の方が圧倒的に儲かるまである。
なお試してみたことはありません(鬼か?)
事前検査では体重や血圧などの測定等がされます。
これで問題なければ、病院から書類と錠剤の下剤をでかい封筒で渡され、署名をすることになります(筆記用具やハンコが要るかもしれませんが、一応電話確認しましょう)。
そして、大腸内視鏡検査本番当日の予約を決めます。この日も開けておいて下さい。運が良ければ1日丸々ですが、運が悪かった(入院した)時のことを考えて、2~3日くらい見た方が良いでしょう。
後で職場と交渉です。やはり録音しましょう。
ここで人事が「テメーの病死のリスクなど知るかくたばれボケ」と言い出したら、この録音データを労働基準監督署や裁判所に提出することも検討しましょう。同じです。
5.事前準備(前日)
たいてい、前日の21:00までは、消化の良い、繊維質や顆粒のないものを選んで食うよう、でかい封筒に入った書類に書いてあるはずです。
やや腹が減って苦しいかもしれませんが、ダイエットに慣れている人なら「よくあるあれ」です。耐えましょう。
21:00になったら、でかい封筒に入った錠剤の下剤を飲み、それ以降は水しか飲まない(水でなくてもよい場合はあるが、何を飲んでいいかは書類に書いてあるはずです)。
6.大腸内視鏡検査(当日)
6_1.共通
でかい封筒の書類一式と、病院の診察券と、保険証と、お薬手帳と、財布を持っていきましょう。(お薬手帳が必要かどうかは分かりません。私の場合は必要ありませんでした。が、念のためです)
でかいカバンと、着替えと歯ブラシ等と、スマホと充電器は、つい忘れがちになりますが、持って行った方がよいでしょう。ないと入院の場合にだいぶ困ります。
(退屈で死にそうな気配があるなら、本とかメモとか筆記用具とか持って行っても良いでしょう)
麻酔剤や筋弛緩剤を使う可能性があるため、車の運転を避けて下さい。バスやタクシーを使うのもやむをえないと考えます。
まず、朝イチに採血をします。
午前中丸々かけて、うまくはない液状の下剤を、何度かに分けて飲みます(味わうことのないように、とにかくグイグイ飲むのがコツ)。
そして、何度もトイレに行って、腹の中が(ケーブルを突っ込める程度には)清潔になるまで、排便をします。下剤のせいでそのうち毎回下痢になりますが、耐えて下さい。
午後、いよいよ本番になります。
場合によっては腰に麻酔剤と筋弛緩剤を注射します。これをしないと肛門にケーブルが入らないこともあるからです。
肛門に潤滑剤が塗り込まれ、ケーブルが入ります(バカみたいな話ですが、ウォシュレットに慣れていると、あまり抵抗なく入る可能性があります)。
30~60分間、ケーブルを介して空気を入れたり抜いたりして、大腸の奥までケーブルが進みます。屁を我慢している時のような不快感があるのですが、深呼吸等で耐えます。
指定の位置まで届いた後は、ゆっくり抜いていきます。
6_2_a.途中でポリープがなかった場合
ふつうに抜いて、終了です。
フラフラになりながら(若干なら休憩させてもらえる)、窓口で8千円程度払って、バスやタクシーで帰宅します(フラフラしているので車の運転は不可)。
なくてよかったなあ。
その後の生活についてはいろいろ指導があると思いますので、その通りにして下さい。
日常生活への復帰はかなり早いでしょう。食物や運動も即日可となります。
6_2_b.途中でポリープがあった場合
抜いていく途中で、ポリープ付近で止まって、電熱ワイヤーでプチンしていきます。
これが手術です。簡単ですね。
痛みも感じません(というか、大腸の中のケーブルの違和感が勝って、それどころじゃないでしょうね)。
最終的に抜いて、終了。
と言いたいところですが、手術があった場合、焼き切った傷跡が万一開いたらマズイので、入院します。
たぶん、終わったら腑抜けになりながら寝てしまうことでしょう。
起きたら、たぶん、長期間、空腹に苦しむことになります。
ここで消化器の中に食物が入ったら、傷跡が大丈夫かどうか怪しいタイミングで消化が始まります。傷跡も開くかも知れません。雑菌が膨大に血液に入って来て、非常に危険です。耐えて下さい。
後は、寝るか、退屈でしょうがない場合、本でも読んでいることになります。
数時間後、便意が来て、練り梅みたいな色の赤黒い便が出ます。
ここからが転機で、後は医師等がやってきて「この日時に病院食が出て、この日時に退院です」と伝えられます。
やがて、病院食が来ます。こういう時は、とにかく飯が食えるというのが、何より嬉しいものです。
後は、退院の日時まで、やはり、寝るか、退屈でしょうがない場合、本でも読んでいることになります。
(私はここしばらくべらぼうに忙しかったから、多分気絶してるんだろうなあ…)
おそらく、手術後、翌日か翌々日に、退院になるはずです。
退院日時になったら、医療保険がある場合はほんの2千円程度(最近は違うのかも知れない)払って、バスかタクシーで帰宅します。
やはり車の運転は避けます。基本的に車を運転しないという態度で決め打ちした方がいいでしょう。
その後の生活についてはいろいろ指導があると思いますので、その通りにして下さい。
日常生活への復帰は、特に食物や運動については、1~2週間くらい、制約がつく可能性があります。
なお、場合によっては、6桁単位で保険金が降ります。これはとてつもなく有難い。
とはいえしばらくは、金を使いたくても、身体的には好き勝手動いてはいけない訳です。
近くの通販に対応しているスーパーマーケットや、Amazonや楽天から食材やレトルトを買うのもよいでしょう。
なるべく体に優しい金の使い方をした方がいいですね。意味合いとしては、これは医療保険なんだから。
7.ちなみに医療保険には入っておくことを強く勧めます
医療保険、やはり、入っておくと、便利ですよ。
QOLの低下を防ぐためにも、貧乏は避けたい。節約したい。それはもちろんですが、病気によるQOLの下がり具合は、貧乏よりキツイ。いったんかかってから治すのは金がかかるからです。
「幸せだった」とか「まあええわ」とか「これが最善だったのだ。しゃーない」と思える程度のQOLで生きていくために、金があるのであって。
金のためにQOLを捧げてはならない。
そうして死ぬと、財政的なコストは、若干程度、しかし永続的に削減できるかも知れない。
が、財政的なコストを減らすために、こんなクソみたいな死を寄越した、邪悪の塊のような世界に対して、憎悪と呪詛と絶望と諦念に満ち満ちて死ぬことになりますよ。
何でそんなことをしなければならないのか?
金喰い虫だからか?
生存と人権は金で左右されるべきだってか?
いかにも、こう、死体の脂と灰から作った石鹸と肥料を使って、体を清潔に洗って栄養価の高い野菜を食ってそうなこと言ってやがるな。
残念だろうが、俺はそういうムーブに、絶対に与したくねーんだよ。
8.未来へ…
人生、死ぬまで生きるしかありません。
そして、QOLは、長期間の大きな苦痛によって、いともたやすくえげつなくバグってしまいます。
私の父のように、身体レベルで長期間ハードに苦しんでから死ぬことは、とにかく避けたい事態です(というか、長期間の大きな苦痛自体、当然ながらとにかく避けたい)。
たいてい、がんは、特に死因である場合は、長期間の大きな苦痛をもたらす。とてつもなく避けたい。
早めに見つけてさっさと取れる(手術のリスクよりも手術で病巣を取った方が安全性が高い)のなら、それが何よりです。
やっていきましょう。