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迷馬イロイロデカイ列伝

出産時、大きすぎて産道に詰まって二時間かけて出てくる イロイロデカイは出産時からでかかった。市場で登場した際には、「うわでか」という声が上がったほどである。 調教師をノイローゼにする 期待されたイロイロデカイの担当に指名されたのは、数々のG1馬を調教してきたベテラン調教師の〇〇氏だった。しかし、あまりの気性の荒さと暴れっぷりに、最後には馬主に土下座して「やめさせてください」と頼み込んだ。  このことが原因で当時の馬主に手放され、現在の馬主に買われた。 騎手が五回変わる 気

    • 駆け抜けろ、イロイロデカイ。

       額に輝く流星に、夜空のように大きな体。  ××年××月××日。雨が降り注ぐ天皇賞(秋)。まだ幼かった俺は、父親に連れてこられた東京競馬場で、彼に出会った。  その馬の名は、 イロイロデカイ 『一番人気、8番イロイロデカイ』 「一番人気って?」 「この競馬場にいる人の殆どが、あの馬を応援してるってことだ。父さんも応援してるよ」 「強いの?」 「うーん、最近はちょっと弱いかな」 「じゃあ、なんで応援してるの?」 「みんな、アイツに勝ってほしいのさ」  父の言葉だけを