迷馬イロイロデカイ列伝
出産時、大きすぎて産道に詰まって二時間かけて出てくる
イロイロデカイは出産時からでかかった。市場で登場した際には、「うわでか」という声が上がったほどである。
調教師をノイローゼにする
期待されたイロイロデカイの担当に指名されたのは、数々のG1馬を調教してきたベテラン調教師の〇〇氏だった。しかし、あまりの気性の荒さと暴れっぷりに、最後には馬主に土下座して「やめさせてください」と頼み込んだ。
このことが原因で当時の馬主に手放され、現在の馬主に買われた。
騎手が五回変わる
気性の荒さの矛先は調教師だけではなかった。乗る騎手乗る騎手を振り落とし、中には病院送りにされた騎手もいた。
イロイロデカイが唯一乗ることを許した騎手はこう語る。
「イロイロデカイに乗っている時は、『俺が下手を打ったらこいつは俺のことを容赦なく殺す』と思いながら乗ってました」
騎手の指示をガン無視
騎手が決まったからと言って言うことを聞くわけではない。それがイロイロデカイという馬だ。
その言うこと聞かなさっぷりは、マロマユインパクトを失った××年の天皇賞(秋)や、奇跡の大復活を遂げた〇〇年天皇賞(秋)でも発揮されている。
馬には優しい
しかし、イロイロデカイが厳しいのは人間に対してのみである。同じ馬、特に自分より若い馬には優しく、隣の馬房の馬が体調を崩した際には、滅多に鳴かないイロイロデカイが大きく嘶いて知らせたこともある。
厩舎の壁に穴を開け拡張
規格外なほど大きかったがイロイロデカイに、普通の馬用の馬房は狭過ぎた。 それに苛立ったイロイロデカイは、なんと馬房の壁を蹴って破壊し、自ら拡張工事を行ったのである。
マロマユインパクトとガンを飛ばし合う
デビュー戦で初めて出会った好敵手マロマユインパクトとイロイロデカイ。
ゲートに入る直前にマロマユインパクトからガンを飛ばされたイロイロデカイはガンを飛ばし返し、周囲の馬たちを怯えさせた。
馬主に尻尾を振りまくる
馬はハエを追い払うために尻尾を振るが、イロイロデカイは馬主を視界に入れると尻尾を振った。そのことについて馬主は「アイツ、俺のこと蝿がなんかだと思ってる」と語った。
マロマユインパクトとの戦いが楽しみすぎる
マロマユインパクトとのレースの前日は気が昂ぶりすぎて周囲の馬を怯えさせるため、別の厩舎に移されていた。
「不思議とわかってたみたいです。約束でもしたんですかね(笑)」
デカすぎてゲートに引っかかる
巨体をゲートに引っ掛けてしまい、後方から四馬身遅れてスタートした。しかし出遅れも何のその、歓声に変わったファンの声を浴びながら、見事菊花賞を取った。騎手はインタビューで「マロマユインパクトに負けたくなかったんだと思います」と答えていた。
馬主に尻尾を当てまくる
イベントに登場した際、隣で話す馬主にずっと尻尾をぶつけていた。
「あの、イロくん? 痛いんですけど……」「(スピードを上げる)」「痛い痛いスピードアップしないで!!??」
負けると走る
レースでマロマユインパクトに負けたとき、イロイロデカイは騎手や厩務員を急かして早く帰ろうとする。そして帰ると、負けた悔しさを拭うように練習場で走り回っていた。
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