<お庭>植え付け作業に思うこと
ガーデンの仕事が本業のメンバーにとっても
一番の楽しみは植え付け作業でした。
仕入れたばかりのイキイキした植物たちを
トラックの荷台いっぱいに積んで出かける植え付けの日の朝。
大抵、集合時間は早朝だけど
皆にこにこして、いつもよりおしゃべりになってたっけ。
私もたまにしか会えない職人さんなどが一緒だと
ここぞとばかりにくっついて回って
よその現場の話や、新しい園芸品種の使い勝手などをきくのが
楽しみでありました。
お客様に対しても、この植え付け作業が
楽しいイベントとなりますようにと願って
パフォーマンスのつもりで臨んでいたところがあります。
パフォーマンスといっても
かっこよく剪定ばさみやスコップを振りまわすとかではありませんが。
作業中のメンバーとの会話の中に自然に入っていただけるように
今植えている植物の名前の由来や
水やりの説明をしながら作業したり。
会社で使っている道具を見せたり、どこで買えるのかをお伝えしたり。
私たちがこの植え付けを楽しみにしているぐらいだから、
ガーデンが好きなお客様にとっては
プロが来て植物を植えていくって
もしかしたら嬉しいイベントかもしれないと思っていたのです。
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そもそも、私の初めての植栽の現場が
「開園中の遊園地内で植栽作業をする」というものでした。
(何か都合で閉園後に入れなかったのかもしれませんが)
エントランス前のスペースに枕木で囲った即席花壇をつくって
スタッフが花を植えているところを
来場者の皆様にパフォーマンスとして見ていただくというものでした。
スタッフ全員、
おそろいのガーデンエプロンとバンダナを身に着けての作業。
私はあまりに初日すぎるということで、
社長からペンキ缶を渡されて
風合いが良くない枕木に色を塗る作業を言い渡されました。
メインの花壇の植え付けが終わって、
もうすぐ作業が終わる頃、チーフに呼ばれて植物を渡されました。
脇の小さなスペースに植える花でした。
「ホラ、真ん中に芯になるような背丈のある植物を入れて…
その足元を囲むように低い花をいれたらいいわよ。」
初めて植えるのに、こんな人が見ているところで!!
ドギマギしている私に、
「とにかく場数よ。場数を踏めば大丈夫になるから。」
チーフはニカッと笑って行ってしまいました。
場数…。
でも、結局それこそが本当のことでした。
本で見たり、人に聞いたりしただけじゃダメで
下手なりに自分の手をどんどん動かしていくことの大切さ。
そして、わからないなりにも植え付けを通じて
周りの人に、ガーデンの楽しさ、
植物のかわいさを伝えてくことの意味。
いろんなことを教えてくれたいい現場。いい人たちばかりだったな。
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今でも。
仕事でも、仕事じゃなくても。
誰かの前で植物を扱うときには、
あの日の遊園地のことを思い出します。