自由律俳句01

女子高生

女子高生の芽は道玄坂ころがって

かじった土夜の七時に渋谷を廻り

女子高生目尻にツチを濃く引いて

心臓で咲くアンブレラ二つ並んでる

傘よ刺せ女子高生の胸一息に


トーキョー

虫の羽に暮れた街並み映り込み

夜のトタン眠れぬトーキョー付着して

東京よりおとなしい生活の侘びしさです

第三京浜に真っ直ぐ繋げ田舎へ続け

お母さんここが生活のゆりかごです


生活

月が出てぶうぶうひゅうひゅう風邪を引く

りんご二個買いたいわたしに邪魔をする

放物線白い器に注がれる

生きている身体が機能し濾過してく

雑炊に垂らした卵咲く十字架


海沿いの町

海沿いのびゅうびゅうこまかな泡を飛ばして

火で炙り焦げ目のついた父の指

鉄塔の足で母さん生きながらえて

大みそか眠らない場所おへその部分

探してはヘイ、と呼びかけ犬を買う


わたし

もう寝ようくだらぬゲームと尿垂らす

粟つぶの街へ放尿自分を愛せ

ガソリンの代わりに日本酒でも飲めば

京急よばくはつできるか夜の酩酊

殺されたゲームボーイよカラーになれ


短歌

東京を春の暮れから噛み砕き電車はがしゃがしゃものを言う

放尿に泡立つ夢は浅き春君の風邪すら愛に浮かぶよ


#自由律俳句 #短歌

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