伊丹十三のカレー ~愚直という武器~
むっちゃ成功した劇団の立ち上げのメンバーから聞いた話です。すごく感動したのでnoteします。
1 なんであんなに客はいってたんですか?
その劇団は、ぼくがまだ子供のころに、すでに伝説になっていました。ですからたまたまお会いしたとき、聞いてみた話です。
まずはなんで客入ってたか?という質問に対する、回答はこんな感じでした。
① 1年間2万枚のチラシを毎日ポスティングする
② 最寄り駅から箱までの居酒屋にポスターを貼ってもらう
③ 面白いショーをする
これだけだそうですです。
ふぇ?
チラシなんて誰も見てない
はい。あなたもそうおもったとおもいます。そうですその通りなんです。チラシの反響率なんて0.02とかです。2万枚撒いても2回問い合わせの電話あればよい方です。
しかし、この話のキモはここではありません。最後まで読んでください。必ずラストで
あなたの脳天を貫く衝撃
がありますから
2 毎日チラシを撒くとどうなる?
劇団員10人が毎日同じ時間に2000枚、チラシを2万枚ポスティングすると、見ている人はどう思うでしょうか?
雨の日も風の日もひたむきにチラシ撒くなんて
一体どんな魅力的な演劇なのかしら?
だから、住民は
あなたに話しかけてくる
はずです。
毎日なんでチラシ配っているの?
と、そこであなたは、自分のやっている劇がどれだけすばらしいものかを熱く語ればいいわけです。
この劇団が成功させるために毎日アンパン1個しか食べてないとか、バイトと稽古と学業で1日3時間寝れればいい方とか、そういう感じで話してみましょう。ほとんどの人が
チケットを買ってくれる
んだそうです。
あなたはアンパン1個ですごさねばならないほどには、生活に困窮してはいませんし、毎日3時間しか寝てなければ死んでしまいますから、こんな話は全部嘘なんです。
しかしこれは「売れてる俳優の売れない下積み時代」のセリフですから、欺いているわけでないのです。
だからあなたを見た老人は多少高くてもチケットを買ってくれるし、知ってる居酒屋のおっさんに話を通してポスターを貼ってもらうよう代わりに頼んでくれるし、近所の友人を誘って見に来てくれるのです。たとえ高倉健には及ばない
三文芝居であっても
愚直で不器用な男の演技であなたは街の住民を虜にしていけばいい。あなたはそういう演技をすればいいわけです。
人は愚直で不器用な人間に自分を投影し共感するのです。
共感すれば、あとは感動を与えることで口コミになり、話題に上ります。
客さえ入れば、そこそこ有名な脚本家の本を借りれます。トップの名作でも10万と熱意で借りることができます。
一流の本があれば、そこそこ知名度がある人が特別出演してくれますから、その人の写真をポスターに入れましょう。
あとはその知名度がある俳優を奇抜な演技で喰います。Mの田中みな実のように主役を喰えばいいわけです。
後は口コミで連鎖的に客が来る。しかしですね。売れてねーやつに限ってですね
ビラ撒くのがまんどくせー
やる気しねーそういうの嫌だ
演技力だけで勝負したい
とかいいます。これは要するに、単に役者としての演技力が不足しているということです。
伊丹十三が監督をしている映画作品で、ADが嫌そうに映画で使うカレーを作っていた。それを見ていた伊丹十三がADに話しかけました。いま君がつくっているのはカレーじゃない
「映画を作っているんだ」
これですね。
売れない役者は、ビラを撒く役者希望の売れない劇団員という設定の
主役の演技ができてない
くそ大根役者ゴミ役者であるということを謙虚に自覚すべきです。
そんな奴が売れるはずがないし、演技力もないんです。仮に売れても、わけわかんない宗教や、共産党の広告塔とかになりはてればいいんですよ。
3 成功しない奴は三文芝居すら出来ない大根役者
確かに、成功しない奴に限って、ツイッターのフォロワーを増やそうとしないし、営業すらしなければ、人脈を作ろうともしない。
ただひたすらに、しょぼライブで優勝を目指してますぅとかいうて、今日は客が重かった、だの、ネタの選択間違えた!だのわけわかんねえ言い訳をし続けるわけです。だって芸人ごっこですからw
おれ芸人やってますごっこ
をして自己満足しているわけです。売れねーわ
そしてたたひたすらに、たまたま投下したツイートが、ジャスティンビーバーがRTしてくれればいいなあ?などと、ゴミのような幸運を待ち続け、3RT4いいね程度のくそツイートを投下し続けるわけです。
他にも、西野エンタメ研究所に毎月1000円払い、西野を妄信していれば、いつかアメトークに西野さんが出してくれる!と妄想したりとかですかね
そんな
態度だけはダウンタウン
どもが
showroomの9割9分9厘9毛
を占めます。
タワー投げろ、RTしろ、ライブ見に来い
そういう奴にもファンはつきますがいずれ尽きます
なぜならファンも金が尽きるからです。
新規のファンが増えない以上、ファンを酷使してしまっていることに気が付かず、気づいたころには誰もいないわけです。
やってることがホスト
と一緒なわけです。客に何も与えることができないので、奪うことしかできないから、結局資源が枯渇するわけです。
4 愚直で不器用な演技の恐ろしさをみんな知らない
みなさんはなぜ、民主党や共産党などの、他国の利益のため政治活動をし、日本にあだをなしている政党の議員が当選しているのかご存知でしょうか?それは
雨の日も雪の日も毎日
駅前でタスキかけて挨拶しているので
おじいちゃんおばあちゃんが票を入れてしまう
からなんですよ。
人間は「良い人、善良な人と仲良くなりたい」とおもっていて、良い人とは「ひたむきな人間」がそうであると判断してしまいます。現実的な人柄や人間性の善悪にかかわらず、愚直で不器用な人を演じれば、人間はみんなついてくるのです。ですから
当選後にどれだけ悪態をついても
あの先生は本当はいい人なんじゃよ
となるわけです。今でも民主党議員は当選し続けています。この事実は愚直なひたむきさは、
感情だけで生きている人を強く動かす
という効果を実証しているのです。
5 田中角栄直伝の選挙戦術
自民の新人候補者ってすごく有能なわけです。そのほとんどが、医師国家免許か司法試験合格者で、東大かハーバード卒で、元財務の局長級の官僚や県警本部長クラスの警察官僚とかなわけです。
そんな人たちは、いろんな集会に行って、私は元官僚でこういうことをしてきました!すごいでしょ?ってアピールしたがるんです。けど、ほとんど落選するんですね。
我々が新人議員候補にどれだけ言ってもだめなんです。理解してもらえないんです。集会で一席ぶつより、個別訪問したり、駅で頭下げたり握手しないと票にならんよ?って言うんですが、耳を貸しません。
当たり前ですね、そんな効率悪いことや、ひたすら頭下げるだけなんて、無意味なことを非合理な選択するレベルなら、いい大学に合格して官僚でブイブイいわすことなんでできませんからね。
自民党の候補者はほぼ優秀な人間の中で生活してきたので、
感情だけで動いている人間がこの世の大多数
である現実世界を知らないんです。
おじいちゃんおばあちゃんは
どれだけ有能でも投票しない
んです。
ところが、こういう自民党のエリートさんたちが、落選後、駅前で毎日辻立ちするとですね。おじいちゃんおばあちゃんは話しかけてくるわけです。
元公務員だったんですが、選挙で落ちて、今無職です。子供もまだ小さくて生活も大変なんですが、自分の夢に向かってこうして挨拶から活動しています。
こういう話を聞いたおじいちゃんおばあちゃんは「何か暖かい物をお食べ」と1000円札をクシャクシャにして渡してきたりします。あまりの豹変に候補者はすべからく驚愕します。なんだこれは?と
肌を通じて、世の中は
感情だけで生きている奴がほとんど
であると学習します。そこを理解できれば次の選挙で当選するんです。よろしいでしょうか?有能さ?ネタの面白さ?演技力?表現力?そんなもん
感情で生きている人たちには全く響かない
んです。
しかし、ひたむきさを愚直に三文芝居でもいいから演じ続ければ、それだけで、感情で生きている人間はあなたを支持するんです。
だからビラを撒く必要があるわけですね。そういう部分を巧みに突いたからその劇団は超人気劇団になったわけです。
以上のとおり、当時理解できなかった大学生だったぼくにでもわかるように解説いただきました。
この伝説の劇団だけではなく、歴史上多くの事例でムーブメントは愚直さに起因するものが数多いのはこういうことなのです。
今回の対話は誰とのものなのかは、流石にまだ存命中で活躍している人なので顔写真も名前も貼れませんw
誰の話なのかは想像にお任せします。以上、読んでくれてありがとうございます。いいね押してくれるとオーサーは喜びます。
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