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〈JAZZロングレビュー〉カマール・ウィリアムス(Kamaal Williams)『Wu Hen』【2020.6 146】

■この記事は…
2020年6月20日発刊のintoxicate 146〈お茶の間レヴュー JAZZ〉掲載記事。2020年7月24日に発売されたカマール・ウィリアムス(Kamaal Williams)『Wu Hen』をレビューした記事です。

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intoxicate 146


UKジャズ・シーン注目アーティストを起用、自身のレーベルから最新作をリリース!(原 雅明)

カーマルウィリアムj

【JAZZ】〈CD・LP〉
Wu Hen

Kamaal Williams
[Beat Records/Black Focus BRC643(CD)][Black Focus BFR007LP(LP)]

 南ロンドンを中心としたU Kジャズ・シーンを代表するキーボード奏者/プロデューサー、カマール・ウィリアムスのセカンド・アルバムが届いた。ユセフ・デイズとのユニット、ユセフ・カマールで注目を集め、ソロ活動に転じてからは、自身のレーベル、Black Focusを立ち上げて、積極的な活動を続けている。昨年、来日公演を観たが、プレイヤーとして確固たるスタイルがあり、豊かな才能を持つことを強く印象付けられた。ジャズはもちろんのこと、ヘンリー・ウー名義でクラブ・ミュージックへもアプローチしてきた彼だが、新譜はこれまでの自身の活動を集約するような多彩かつ統一感のある作品に仕上がっている。


 フライング・ロータスの作品でよく知られるLAのヴィオラ奏者/アレンジャー、ミゲル・アトウッド・ファーガソンのアレンジによるストリングスをフィーチャーした曲で始まり、ストレート・アヘッドなジャズを演奏する曲もあれば、ブロークン・ビーツなどUKのクラブ・シーンからの流れを感じさせる曲もある。いずれも、カマール・ウィリアムスが現在率いているバンドのコンビネーションの良さが感じられる。特にクイン・メイソンのテナー・サックスと、グレッグ・ポール(LAジャズ・シーンの注目株カタリスト・コレクティヴのメンバー)のドラムが演奏により躍動感を与えている。


 デジタル・リリースされた同メンバーでのライヴ音源《Live at Dekmantel Festival》ではよりファンキーでグルーヴィーな演奏を聴くことができ、このグループのポテンシャルの高さが伺える。Black Focusからは、気鋭のギタリスト、マンスール・ブラウンをデビューさせたり、ブロークン・ビーツを象徴する一人、スティーヴ・スペイセックの新作『Houses』もリリースされたが、『WuHen』によってU Kジャズ・シーンの書き換えはさらに進んでいくことは間違いないだろう。


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