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〈CLASSICALロングレビュー〉山田一雄(指揮)NFC交響楽団『ベートーヴェン: 交響曲第8番、第9番~フィナーレ』他【2020.6 146】

■この記事は…
2020年6月20日発刊のintoxicate 146〈お茶の間レヴュー CLASSICAL〉掲載記事。2020年6月19日に発売された、山田一雄(指揮)NFC交響楽団『ベートーヴェン: 交響曲第8番、第9番~フィナーレ』他をレビューした記事です。

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intoxicate 146


全て初出! ニッポン放送伝説の名演シリーズ~山田一雄とNFC交響楽団(5タイトル)(板倉重雄)

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【CLASSICAL】
ベートーヴェン: 交響曲第8番、第9番~フィナーレ

山田一雄(指揮)NFC交響楽団
三宅春恵(S)川崎静子(A)柴田睦陸(T)秋元雅一郎(Br)玉川学園合唱団
[King International KKC2517]〈輸入盤〉

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【CLASSICAL】
モーツァルト: 交響曲第41 番「ジュピター」、ショパン:レ・シルフィード

山田一雄(指揮)NFC交響楽団
[King International KKC2518]〈輸入盤〉

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【CLASSICAL】
ハイドン: 交響曲第100 番「軍隊」、ヴァイオリン協奏曲第1番 

山田一雄(指揮)NFC交響楽団  巌本真理(vn)
[King International KKC2519]〈輸入盤〉

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【CLASSICAL】
グリーグ: ピアノ協奏曲、シベリウス: フィンランディア、グラズノフ:ヴァイオリン協奏曲より第1部

山田一雄(指揮)NFC交響楽団  ワルター・ハウツィヒ(p)潮田益子(vn)
[King International KKC2520]〈輸入盤〉

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【CLASSICAL】
プロコフィエフ: ピーターと狼、ブリテン: 青少年のための管弦楽入門

山田一雄(指揮)NFC交響楽団  佐藤美子/高岡尞一郎(語り)
[King International KKC2521]〈輸入盤〉

 ニッポン放送で1955年から2005年まで放送された「新日鉄コンサート」(1970年まではフジセイテツ・コンサート)は、内外の名演奏家の実演を公開収録していたため、貴重な録音が数多く残されている。2020年6月に初めてCD化される5タイトルは、日本指揮界の草分け的存在、ヤマカズの愛称で親しまれた山田一雄(1912~1991)が1950~ 60年代に録音したものがセレクトされている。演奏のNFC交響楽団とはニッポン放送のN、フジセイテツのF、コンサートのCの頭文字を採った、在京オーケストラから選抜された腕利きの奏者からなる番組用の団体である。


 ヤマカズと言えば、小さな体で指揮台狭しと動き回り、情熱的にオーケストラを率いた熱血漢として知られるが、今回初めてCD化されるこれらの録音は壮年期のものだけに筆者の世代が知る彼よりも、さらに熱い演奏が展開されていることに驚かされる。NFC交響楽団の技術は高く、音の状態もモノラルながら半世紀以上前の放送録音としては実に生々しい。この時期のヤマカズの録音は少ないだけに、これは極めて貴重な復刻である。


 引き締まったフォルムとキビキビとした進行が心地よいベートーヴェンの第8、宗教的とも言える静謐さと求心的な《喜びの歌》が交錯する第9の終楽章(KKC2517)、壮麗なスケールと前進するエネルギーが感動を呼ぶモーツァルトの《ジュピター》、往時のバレエ上演を彷彿とさせる雰囲気豊かなショパンの《レ・シルフィード》(KKC2518)、古典的な佇まいが美しいハイドンの《軍隊》、往年の美人奏者、巌本真理の清澄で格調高い演奏が魅力のヴァイオリン協奏曲(KKC2519)、ウィーンの名手ハウツィヒとの熱情ほとばしるグリーグのピアノ協奏曲、当時新進奏者だった潮田益子とのロマンと色彩に溢れたグラズノフのヴァイオリン協奏曲(KKC2520)、ヤマカズの十八番《ピーターと狼》&《青少年のための管弦楽入門》 での精緻にしてドラマティックな快演(KKC2521)。ファンならば全部持っていたい!


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