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「引き寄せの法則」をわかりやすく解説【エイブラハムとの対話】

「引き寄せの法則」をご存じでしょうか?

かんたんに言えば「思ったことが実現する」というのがその内容。

2006年に発売された『ザ・シークレット』が世界的に大流行し、そこで多くのひとに知られるようになりました。

しかし元ネタはもっと昔にあります。

もっとも強力なもののひとつが、ヒックス夫妻によるエイブラハムとの対話。日本でも『引き寄せの法則 エイブラハムとの対話』として出版されています。

引き寄せの法則の本当のすがたはどのようなものなんでしょうか?

以下、わかりやすく解説します。


エイブラハムとの対話、はじまる

事の起こりは、シェイラというチャネラーにヒックス夫妻が接近したことでした。

これがきっかけとなって妻のエスターにチャネリングの才能が開花。エイブラハムとの対話がはじまります。

チャネリングというのは、みずからの身体を霊媒(霊の乗り物)とし、高次元の存在とコミュニケーションをとることをいいます。この霊媒の才能をもったひとのことをチャネラーと呼びます。

元々は夫のジェリーのほうがスピリチュアル的なものに関心をもつタイプだったそう。逆に妻のエスターはそういうのが嫌いだったんですね。

しかしそのエスターがチャネラーとしての才能を開花させてしまいます。

エスターを通して、エイブラハムにジェリーがインタビューするというかたちで対話は進んでいきます。

エイブラハムは複数の高次元存在の名称とのこと。ひとりじゃなくて複数人が語りかけています。

わたしたちはあなた方の信念を変えるために来たのではなく、あなたがたが「永遠なる宇宙の法則」を思い出し、「意図的な」創造者になれるようにするために来た。あなたがたは創造者として生まれたのであり、あなたがたが現に得ているものを経験のなかに引き寄せているのはその創造者以外にはない。すべては、あなた方自身が行っているのだ。

(エスター・ヒックス&ジェリー・ヒックス『引き寄せの法則 エイブラハムとの対話』吉田利子訳)


エイブラハムのいう「宇宙の法則」とはなにか?

それが以下の3つ。

・引き寄せの法則
・意図的な創造の方法論
・許容し可能にする術

実は「引き寄せの法則」はこれら3つの法則の一部としてはたらくものなんですね。

引き寄せの法則が土台にあります。その上で意図的な創造の方法論がはたらき、さらにその上で許容し可能にする術がはたらくようになります。


引き寄せの法則とはなにか?

では引き寄せの法則とはなんでしょうか?

簡単にいえば、思ったことが現実化するという考え。もっといえば、現実に起こることはすべて、自分の過去の思考が引き寄せたものという考えです。

人間は磁石のようなもので、意識的にせよ無意識的にせよ強く考えたことが、自分の身に引き寄せられてきます。

これが引き寄せの法則です。

エイブラハムは本書で、どうやったら意図的によい出来事を引き寄せられるかを伝授しようとしているわけです。


ではどうすればよい出来事を引き寄せられるのでしょうか?

いやそもそも、良い出来事ってなんでしょうか?どこに基準があるのでしょう?

エイブラハムが持ち出すのは「感情」というナビゲーションシステムです。


感情というナビゲーションシステム

引き寄せの法則を実践するさいには、感情に注目することが重要だとエイブラハムはいいます。

なにかを考えたときポジティブな感情になれば、それは自分にとって正しい方向性です。だからそっちに思考を向けるのが正解。

逆にネガティブな感情がわけば、その方向性には思考を向けないことが正解になります。

このように感情はナビゲーションシステムとしての役割をもっています。


人間は生まれる前に「自分は地上でこんな創造がしたい」という漠然とした青写真を描いていたとエイブラハムはいいます(具体的な方策はわれわれの自由にまかされている)。

そして「あの世」の自分は実はいまも存在しているというんですね。日常のわれわれと重なるかたちで、青写真を描いた「あの世」の自分も存在している。

この内なる自己と日常のわれわれは、感情というナビゲーションシステムによってつながっています。

ワクワクしたり嬉しくなったり、そういうポジティブな感情がわくということは、内なる自己とわれわれの日常の自己がぴたっと一致している状態。逆にネガティブな感情がわくということは、内なる自己と自分自身が乖離しはじめていることを示します。

感情に目を凝らすことで、正しい思考の方向性がわかり、正しいものごとを引き寄せることができる。

エイブラハムは本書で、思考ではなく感情を観察する技術を磨くようにいっています。そのほうが簡単だし、また威力もあるからですね。

引き寄せの法則というと思考とかイメージとかの印象があるかと思いますが、その実践には、実は感情が重要になってくるんです。


時間という緩衝地帯

この世においては思考が引き寄せる出来事はすぐには実現しません。

あの世だと事情は違うそうです。思考がその場で現実化するらしいんですね。でもこの世で同じ仕組みだったら現実はカオスになってしまいます。

良くも悪くも、われわれの日常世界では思考の発動とその実現までにはタイムラグがあります。

これがなかなか難しい事態を発生させますよね。

引き寄せの法則に目覚めて、ポジティブな感情を目印にしつつ思考を投げかけたとしても、その現実化までは時間があります。

今日や明日実現することは、まだ過去の自分が引き寄せた現実なわけです。

この過渡期を乗り切るのがすごく難しい。「効果なくない?」「むしろ逆効果が出てない?」となりがちですから。

しかし、タイムラグがあるんだということを知っておけばいくぶん楽になると思います。

とはいえネガティブな思考が現実化するまでにもタイムラグがありますから、これは嬉しいことですよね。このラグのおかげで、ネガティブな出来事の現実化を打ち消すための猶予があります。


まとめ

ここまで引き寄せの法則を解説してきました。

・人間は磁石のようなもので、考えたことを引き寄せる
・感情というナビゲーションシステムに注意を向ければ、思考が正しいものかどうかがわかる
・思考の現実化までにはタイムラグがある

本書はさらに

・意図的な創造の方法論
・許容し可能にする術

という残りの2つの法則へと話が進み、最後は

・節目ごとの意図確認

というテクニックが紹介されて幕を閉じます。

引き寄せの法則というとお手軽なポジティブシンキングがイメージされがちかと思いますが、本書はかなり深遠な本です。

「すべてであるもの」にとってあなたがたは非常に大きな価値があるという理解、そこにあなたがたが立ち戻ること、それがわたしたちの願いだ。あなたがたは真に思考の「最先端」にあって、すべての思考、言葉、行為を「宇宙」に付け加えているのだから、「すべてであるもの」にとってあなたがたは大きな価値がある。あなたがたは遠くから追いつこうとしている劣った存在ではなく、「宇宙」のあらゆる資源(リソース)を思うままに使える「最先端」の創造者だ。

(前掲書より引用)


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