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3ステップで効果を上げる!自社に合った人材紹介会社の選び方と活用法

人材獲得競争が激化する中で、多くの企業が利用されている人材紹介会社(エージェント)。その数は年々増加傾向となっており、2万7899社(出典:2022年1月 厚生労働省「職業紹介事業報告」より)にものぼります。

エージェントは報酬形態の多くが成果課金モデルのため、企業にとっても導入障壁が低く、活用されやすいサービスです。しかし、いざ契約をしても、「自社に合った人材が紹介されない」「推薦があがってこない」などの声が多いのも事実です。
 
いかにして、自社に合ったエージェントを見つけるのか。今回は3ステップでエージェントの選び方と、活用法を紹介します。


執筆者プロフィール

InterRace株式会社VPoS(Vice President of Solutions)
木津和 弘祐

2007年リクルート入社。新卒・中途向けメディア、人材斡旋、RPO事業、事業開発に従事し、マネジメント(課長・部長)、プロフェッショナル職を経験。RPO事業を立ち上げ期より参画し、HR領域の戦略フェーズから母集団形成、選考オペレーションまでのプロジェクトマネジメント、プロジェクトリーダー、コンサルティングを経験。世の中に存在するHRサービスに広い知見と人脈を持つ。2022年にInterRace株式会社に参画。株式会社KITSUWAの代表取締役としても活動。

採用につながるエージェント選びと活用法の3ステップ

エージェントの選び方と活用法は、次の3ステップです。
 
1.自社の規模などを考慮して、エージェントを選ぶ
 
2.エージェントを活性化する3つのポイント
・本気度
・密なコミュニケーション
・情報量と頻度
 
3.紹介者をさらに増やすためのTIPS

1.自社の規模などを考慮して、エージェントを選ぶ

まずは自社の企業規模や知名度などを考慮して、総合型か、あるいは特化型なのか、エージェントのタイプを選ぶことです。
 
エージェント選びで、最初に候補としてあがるのが、総合型エージェントです。多くの登録者を保有し、多種多様な職種を扱っているため、大半の企業が最初に契約しようと考えます。
 
しかし、エージェント側からすれば、どうでしょうか。カスタマー(転職検討者)の早期決定がゴールなので、カスタマーにとって魅力的な企業かどうかが紹介する決め手になります。それゆえ、企業からのオーダーの多い総合型エージェントでは、一定数の応募が集められる認知度の高い大手企業、あるいはネームバリューのある企業が優先されやすい傾向にあります。それ以外中小企業や知名度の低いベンチャー企業などは、大手企業に比肩しうる給与などの待遇や働き方がなければ、その中に入ることは正直難しいでしょう。
 
中小企業や知名度の低いベンチャー企業などは、特化型エージェントに絞った採用活動がオススメです。その理由は、大手企業の参入が少ないからです。
 
特化型エージェントは、登録者数が少ないため、紹介される人数も総合型と比べると、限定されています。それゆえ、多職種採用や大量採用が多い大手企業は特化型では複数のエージェントとの契約が必要になり、工数増加や業務が煩雑になるため、総合型エージェントに絞りやすい傾向にあります。結果、大手企業があまり活用しない特化型エージェントでは、中小企業などとの採用マッチングが生まれやすい構造になるわけです。
 
中小企業や知名度の低いベンチャー企業は、毎年1〜2名紹介いただける特化型エージェント5〜10社と契約して、トータルで採用人数を集めていく。手間は多少かかりますが、大手企業の参入は少ないので、勝算はあります。
 
まとめると、会社規模や知名度、さらに細かく言えば、自社の採用計画、採用マーケットでの自社のポジション、職種の採用難易度をもとに、第1ステップとしては、まずは自社に合ったエージェントを見立てることです。
 
なお採用担当者だけでは、自社のポジションや、職種の採用難易度などの相場観、特化型のエージェントの特長などはつかめないと思いますので、外部のRPOなどの活用もオススメです。RPOは採用を成功に導くための、効率的なエージェントの活用ノウハウやネットワークを持っています。その詳細な内容は、本記事の最後で説明します。

2.エージェントを活性化する3つのポイント

次にやるべきはエージェントの活性化です。これまで、私はRPOの事業を長年経験し、そのなかで総合型・特化型合わせて、約300社超のエージェントとお付き合いさせていただきました。エージェントの担当者の皆さんが口を揃えていうのは、「その企業に尽力しようと思えるのは、我々エージェントにしっかり向き合って、カスタマーにより良いキャリアとなり得る企業かどうか」ということです。
 
つまり、エージェントに寄り添うスタンスが大事になってくるわけです。それを表したのが、次の3つのポイントとなります。

・採用の本気度

自社の事業推進上、「採用が非常に重要だ」ということを、エージェントに熱意ある説明を行うこと。そのためには、人事だけでなく、経営や現場も巻き込んで、一体感を表現することが大切です。人事や採用担当だけでなく、経営層や事業オーナーからエージェントにメッセージするのも効果的です。

・情報量と頻度

エージェントがどのような情報を、どのくらいの頻度で求めているのか、情報量と回数を意識することです。
 
例えば、特化型エージェントの企業担当(営業)はカスタマー(候補者)対応も兼務していることが大半なので、カスタマー(候補者)からの質問に対する問い合わせなども直接相談が入ります。そこで、迅速に正しい情報を提供できれば、エージェントとしても本気になりますし、当然候補者にもスピーディーに情報が届けられるため、より紹介につながりやすいのです。
 
一方で、総合型では、エージェント1社でカスタマー対応専門の方々(キャリアアドバイザーやキャリアカウンセラーなどと称されることが多い)を何百人も抱えており、企業からのエージェント向け説明会も多いところではほぼ毎日開催されています。こちらはカスタマー個々への対応ではなく、企業としての魅力をアピールするほうが重要かつ効果的です。

・密なコミュニケーション

エージェントビジネス構造を理解した上で、契約しているエージェントの意見/要望をしっかり聞いて、できる限りしっかりと、そしてスピーディーに応えていくことです。応えられない場合は、その理由もエージェントの担当者が納得できるまで、行うことがポイントになります。こうした丁寧なコミュニケーションを通じて、懇意にしてもらえるエージェントを増やしていくことができます。

3.紹介者をさらに増やすためのTIPS

優先的に情報を提供する

日頃から積極的に人材を紹介してくれるエージェントには、優先的に情報提供などを行うことも大切です。例えば、他のエージェントには提供していない、より深い情報を共有して、エージェントの実績につながるように働きかけることで、自社への紹介をよりコミットしてくれるようになります。

早期に採用が決まる選考プロセスを整える

選考のリードタイム(応募から入社までに要する時間)や面接回数などの短縮化は、一定の効果が望めます。
 
例えば、私が以前関わった大手情報サービス企業では、1日で会社の説明から面接・内定まで行う「1day説明選考会」を企画したこともあります。1日で合否結果が出るため、エージェントからの受けも良く、カスタマーや面接官にとっても好評の選考会となり、通常の選考プロセスよりも高い歩留まりや集客となりました。

エージェントの紹介手数料のアップ

エージェントサービスは、原則「決定課金(成果報酬)モデル」ですので、正式に採用(入社)した際にエージェントに手数料が支払われます。金額の一般的な相場は、採用者の年収の約30〜35%。それを50〜80%(難易度の高い職種は100%)まで、引き上げる施策です。
 
ただし、この方法は大手企業や大量採用を行っているIT企業などでは、当たり前に採用しており、この施策だけで紹介を増やすのは実際は難しく、効果がほとんど変わらなかったという声もよく聞きます。カスタマー本人にとってのメリットがないというのも起因するところです。

さいごに

エージェント活用は、すぐに結果を出すのはなかなか難しく、試行錯誤を繰り返しながら、エージェントに寄り添い、密なコミュニケーションを重ねながら、良好な関係をつくっていくことでしか、求める結果は得られません。
 
それを、より効率的に、かつ確度高く実践していくためには、外部のRPOやリクルーターを上手く活用することです。それは、大きく3つの理由があります。
 
競合情報を持っており、採用マーケットの相場が分かる
「これが、当社の売りだ」と思っていたことが、競合と比較した時に、カスタマーにとっての魅力にならなかったり、現場の従業員も気づいていない点が、カスタマーへのアピールポイントになることが良くあります。競合情報も含めた相場観は、社内だけでは把握できません。さまざまな企業の採用活動を支援してきた外部のRPOやリクルーターだからこそ、紹介につながる求人を見立てることができます。
 
エージェントとの強いネットワークがある
RPOは、総合型エージェントでエースといわれるRAとのネットワークを豊富に持っています。また、特化型エージェントにおいても、「第二新卒」「エリア別」「エンジニア」「管理部門」などさまざまなジャンルのキーパーソンとのつながりもあるので、間に入ることで、その会社に適したエージェント選びが迅速に行えます。
 
また、エージェントにとっても、RPOがいることで「採用も増え、決まりやすい」という期待値も高まるため、企業はエージェントに対して本気度を示すチャンスにもなります。
 
エージェントの本音が聞ける
外部のRPOやリクルーターが入ると、エージェントは、「この要件では採用は正直難しいですよ」という本音を発信します。それによって、現時点での相場を知ることができるので、求める人物像がオーバースペックになりがちな現場の考えを改めてもらう機会にもなりますし、決まりやすい求人票や選考プロセスに改善していくことも可能になります。
 
カスタマーにとっての魅力となる待遇(給与など)などは、すぐには変更できないため、中長期的な視点で整えていくべき求人要件と、選考プロセスやエージェントのフィーアップなど、短期的な視点で効果につなげられる要件の2軸で改善し、エージェント活用を考えていくのが良策だと思います。
 
エージェントを有効に活用するには、どうすればいいのか。そういった悩みを抱える採用担当者の方がいらっしゃれば、ぜひお気軽にご相談ください。

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