元が分かれば応用はカンタン 〜『日本人の英語』〜 【夏休み新書チャレンジ13】
夏休み新書チャレンジ、今日も英語関係の新書です。
昨日は今井さんの『英語独習法』を紹介しました。
その中で、「日本人あるある英語の間違い」を指摘する本の中でも不朽の名著として紹介されている『日本人の英語』を本日は取り上げます。何か思って買ったはいいけど、読めていなかった本です。
同じ岩波新書の「赤本」ですね。
こちらの本は発行が1988年。手元にあるのが2018年に出た80刷のものです。すごいぞ、この重版回数は!
じっくり読んでみると、本当に素晴らしい本です。
特に20章ある全文のうち、2章から6章は「theとかaとか訳分からん!」と中学で最初に英語に出会ったときに憤慨したことのある人は必見です。
「なぜ」「どういうロジックで」そこでは、"a"が使われるのか、はたまた冠詞は付けないのか、英語ネイティブで日本語に通じた著者が細かく説明してくれます。
面白かったのは、日本人に分かるようにそのネイティブとしての感覚を説明してくれるやり方です。たとえば、昔話の始めの定型文は、「むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがいました」とは言えますが、「おじいさんとおばあさんはいました」とは言えないですよね? あるところにいたおじいさんとおばあさん、とすでに説明されていたら「は」でもよいのですが、物語の冒頭で初めて登場するときに、私たち日本語ネイティブは、「は」がおかしいことは分かります。
ちなみにこれは冒頭は"an old man and an old woman)"で、あとは'the old man and the old woman"です。日本語でも登場2回目以降は「は」でいいですものね。「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に……」
英語の感覚、今井むつみさんが『英語独習法』でおっしゃる「英語のスキーマ」をできるだけおおく積み重ねるためには、是非一度目を通しておく本だと思いました。
通訳者として長年働いてきているので感覚的に使っている部分も確かにあります。でもそれはネイティブほどの積み重ねでない上に、第二言語学習者として必要な論理的裏づけは足りていない。同時通訳という仕事の場面で、自分の口からポロリと出た英語がときどき気持ち悪く思うのは、この冠詞の使い分けや単数複数の区別が甘いところがあるのだと痛感します。
こりゃ〜、なかなかいつまでも難しいな!
死ぬまで勉強です。
昨日はコチラ↓↓↓
今までのチャレンジをマガジンにまとめたものは、コチラ↓↓↓
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