『精神科医が見つけた3つの幸福』
「3つの幸福って、そんな『三枚のお札』じゃないんだから」
とすぐには手に取らなかったが、Audibleに入っているので読んでみたら、いや、これが大当たり本! セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、それとドーパミン的幸福。この3つの幸福の区分が分かりやすい。
「ドーパミン、セロトニン、オキシトシンが十分に分泌されている状態で、私たちは「幸福」を感じる。つまり、脳内で幸福物質が出た状態が幸せであり、幸福物質を出す条件というのが「幸せになる方法」である」
「体が資本」など慣用句的な言い回しも世の中にはあり、心身の健康なしには何も得ることはできないと一般的には言われているが、それが脳科学的に証明されている。だから、健康のためにはまず睡眠、よい睡眠のためには日中の過ごし方、特に運動が大きなカギを握っている。自分の脳力を最大限に発揮するために、またその最大限の値を更新していくためには運動が必須だ、といえる。
今まで読んできた脳科学の知見がすべて合わさった形で非常に頭に定着しやすかった。
また承認欲求についての解説も納得のいくものだった。承認欲求には実はふたつある、という。ドーパミン的承認欲求とオキシトシン的承認欲求だ。
「ドーパミン的承認は、「数字の増減」や「成果」「結果」に対する承認です。一方のオキシトシン的承認とは、愛情が基盤として、相手の存在そのものを肯定し、承認すること」
『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の中でアドラーは承認欲求は認めないという立場を取っているが、これは3つの幸福でいうところのドーパーミン的幸福に通じる、もっともっと、と際限のない欲求のこと。それに対してオキシトシン的承認とはアドラーの言葉でいうと、「勇気づけ」にあたるという。
実に分かりやすいし、人にも説明しやすい。
「幸せって何だろう?」とふと立ち止まったときに、いや、立ち止まる前に読んでおくとよい本だと思う。
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