ユーモアとはなんぞや? 〜『ユーモアのレッスン』〜【新書チャレンジ8】
夏休み新書チャレンジも順調に6日目。
今日は、外山滋比古先生の『ユーモアのレッスン』(中公新書)です。
『思考の整理学』その他色々な著書で有名な外山滋比古先生、この本ではユーモアについて掘り下げています。ユーモアって冗談とも皮肉とも違う、何か一種独特のもの、のような感じがします。
笑いって、言葉が違ったり文化が違ったりするととたんに通じなくなるものと、万人にウケるものがあると思うんですよね。真面目な挙動そのひとつひとつの動きが可笑しいMr.Beanなんかは誰が見ても笑えるものの例でしょう。でもあれも他の生き物から見れば可笑しくない。たとえばどこか地球外生命体がやって来て見たとしても、可笑しいと思ってもらえるかどうかは分からない(どんな生命体か見当もつかないので確かな話ではないですが)。
だからやはり、ユーモアは言葉や文化に依存するものだと思うわけです。
「ユーモアを解するには、頭をはたらかせる必要がある。ことばの間隔が洗練されていないと、ユーモアをつくり出すのはもちろん、うけこたえもできない。笑うこともできないのである」
なるほど、確かにその通りですね。
本編の内容とは別のところで、この本からは大きな発見がありました。ユーモアの語源について、です。
もともとは面白いという意味を持たず、ギリシアの医学の祖ヒポクラテスが提唱した四体液説の「体液」を示していたそうです。人間の体は血液、粘液、胆汁、黒胆汁という四つの体液からできており、それらがうまく調和しているときはヒトは健康でいられるけど、バランスを崩すと特異体質になってしまう。血液が多すぎると多血質に、粘液過多だと粘液質に、胆汁が多すぎれば胆汁質、そして黒胆汁がふえすぎると憂鬱質になる、といいます。
ここまで聞いて「ん?」と思った方、ひょっとしてお子さんをシュタイナー教育の保育園に預けたりしていませんでしたか?
実はうちもそうなんです。
シュタイナー教育では子どもの気質をこの四つに分類します。まさか外山滋比古先生の本からシュタイナー教育に跳ぶとは! ビックリです。
ちなみにユーモアは体液から始まり、人間の気質そのものをあらわすようになります。その後、この気質が特異だと笑いを誘う、という形でユーモアとは特異なものにふれて生まれる笑いという風に結びついたのだそうです。
語源ひとつでこれだけ展開すると、面白いを通り越して驚きしかありませんね。
読んでいただきありがとうございます!
今回のチャレンジをマガジンにまとめました。
これから残り2週間と少し、こちらのマガジンに入れていきます。よかったら、過去の記事も読んでみてください。今日は1冊ですが、場合によっては1日に複数冊読んでいます。
ではまた明日をお楽しみに!