家で「喫茶ランドリー」ー家事こそ探求学習に最適 (2) コツ、そして洗たく

昨日、下記の記事を書いた。すこし長くなりそうだったので、続きが本記事である。

アイデアの出どころ

 実は、この作り方は、子どもたちがスマホで調べる際に、私も一緒に調べたら、分けて作る方法を発見したのがきっかけだ。
「そんなの常識で、昔からそれしかやったことがない」
という方もおられるだろう。肝心なのは、「我が家としては、やったことがないこと」に取り組み、それまでと比較をした、ということである。
 ほかにも、こんな感じで、いろいろと楽しんだ。

仮説の立て方

・学校で習ってきたネギの切り方は、これまでの切り方(輪切りに近い)とどちらが美味いか。
・ヨーグルトを家で作る際、タネとなるヨーグルトは、カスピ海と普通のどちらが美味しいか。牛乳は、どちらのメーカーが美味いか、タネに対して牛乳はどのぐらいの割合がいいか、何回まで作っても臭くないか
などなど。
 家事は理科実験ではないので、二通りは出来ないものは、焼きそばのように、過去との比較になる。同時に複数を比較するものとして簡単に出来るのは、
・焼入肉のタレとかドレッシングで、複数の味を同時に購入し、自分の気に入ったものを探し求めさせる。
・夏はタピオカを自作したら安い!と子どもがいい出したので、専用のカップとストロー、そして豆を購入した後、「どの飲み物が合うか(ミルクティー、普通の紅茶、他のジュース)」などなど。

 経験からすれば、連続量(どれぐらい、何回まで)よりも、二択(どっちが)の方が、知的に興奮し、確かめた実感が湧くようで、原理を理解しようとする。

ただ子どもにやらせる場合のパターン

 アプリのレシピについては、子どもは、つい写真が美味しそうなものを見つけると、「今日は、これでいい」といい、量も作り方も、全くそのとおりに作ろうとし、早く作って食べようとする。

レシピ集から仮説をつくる際のコツ

今は、スマホ(ネットのアプリ)のおかげで、複数のレシピをささっと見られる。そして、それらは意外に異なっているのだ。そこで、それらを参考に、「2通り」を見つける。あまり極端にしたら失敗作になるので、ほどほどの範囲内での両極端を設定してやればいい。

洗たく

 洗いについては、今はほぼ自動なので、あまり違いを生み出しにくいと私も思っていた。でも、子どもにすれば、
・ネットに入れた方がきれいになるか
・どのソフター(柔軟剤)を使うと、いい感じに仕上がるか
などに関心があった。

 干す場合は、以前は、ピンチがついた枠のあるものの端から挟んでいったが、そうすると偏ってきて真ん中で折れてしまう。そこで、その場合、小さなものでも、反対側の端に吊るすと、バランスが取れることを示すと、「ええ、何で?」と興味を持った。


 このあたりは主婦には当然のことで無意識にしているが、小学校2年か3年の頃だと不思議に思うようで、シーソーの原理を教える機会とした。4年生になると理科で同じことを習ったといい、子どもらしく喜んでいた。

 ほかにも、思い出せばキリがないが、以前、これと似たようなことで、靴磨きを興味をもってやってくれるようになったことを記事にしたので、それもご参考にしてほしい。

こういうやり方で、仮説をもって問い組ませると、クイズ番組に引き入られる時のような知的な関心を持つのは確かなようだ。


お駄賃はどうする?

もともと「お手伝いしてくれたら、◯◯円あげるから、やってくれる?」といって始め、終わった時に、

「忙しいから後でね」

とお駄賃を後回しにすることがあった。



コンビニでの買い物に子どもと一緒に行った際などに財布を開いて思い出したらお駄賃はあげている。でも、お手伝い際に、仮説実験的に開始した場合は、つい親が渡すのを忘れていても、子ども側も、もらうのを忘れてしまっていることが多い。こどもはお金欲しさではなく、

「とにかくやってみたい!」

と思い、結果がどうであれ、満足してくれているようなのだ。

まとめ

親としては、これまで当たり前ようにやってきたことを、あえて説明してから子どもにやらせるのは、正直、面倒ではある。

でも、子どもが楽しく家事に取り組んでくれる様になると、「生きる力」が高まっていくようで、また家庭を支える一員になっていくことが、何よりも嬉しく、親にとっても最高のご褒美だ。

私設公民館? 喫茶ランドリー

さて、この記事のタイトルでは、「喫茶ランドリー」という言葉を含めた。これは、私の家から自転車で5分ぐらいのところにある実在する店である。

地域の人が、世代を超えて、洗たくやアイロンなどの家事などを持ち込みをきっかけに交流が生まれ、まるで実家に戻ってきたような安心感がある空間(オーナーの言葉でいえば、「私設公民館」)が生まれたことが、建築業界、地域づくりNPO、行政ほか、各界で話題になっている、今、注目のお店なのである。

長くなったので、これについては改めて記事にするが、新型コロナで毎日、子どもたちや親も家に居る時間が長くなった現在、この喫茶ランドリーからヒントを得るための考察をしたので、次の記事を楽しみにして欲しい。