フェミニズムの真意、目指す社会とは
人種や性別などのレッテルを貼られずに「人間」として生き、働く権利。
就活を進める上でも、人として尊重される環境で働きたいと考える人も多いのではないでしょうか。
近年、こういった本当の意味での人権が重要視され始めています。
そんな中でも今日は、ジェンダー平等についてお話したいと思います。
みなさんはこのようなハッシュタグをSNS上で見たことはありますか?
MeTooのハッシュタグは、世界中の女性がSNS上でセクシャルハラスメントや性的暴行の被害体験を告白する際に使われ、Time’sUpもそれに関連しており、ハリウッド著名人によって2018年に発足した運動です。
そしてこのような行動を起こす人、それに共感する人が増えている背景としてあるのが、2014年に国連によって始められた「HeForShe」というキャンペーンです。
これら全てが、フェミニズムの考え方のもとでジェンダー平等を訴えているのです。
現代のフェミニズムを語るにあたり、まずはその背景にある歴史について知る必要があります。
フェミニズムが始まったのは19世紀。
その頃は女性の社会的地位が男性と比べて顕著に低く、参政権なども認められていませんでした。そのため、当時のフェミニズムにおいては、「女性の剥奪された権利を訴求する」意味合いが強かったといわれています。
実際にこのような定義のもとで行われた社会運動により、アメリカでは1920年に女性の参政権が認められました。日本でも1999年に男女共同参画社会基本法が施行されています。
では女性の社会進出が一般的になってきている現在、フェミニズムが目指すものとは?
女性は結婚したら仕事を辞めて家事、子育てをしなければならない。
女性はムダ毛を剃って、スカートやハイヒールを履くべきだ。
男性は人前で泣いてはいけない。
フェミニズムの根底には、このような男 / 女らしさに囚われず自分らしさを追求する権利を、一人ひとりが持てるような社会を実現したいという考えがあります。
ただフェミニズムという単語に、女性を表す語幹“ femin” が含まれているからか、女性の権利を訴えることに焦点が置かれ、それが男性嫌悪に繋がっていると勘違いされることも未だ多くあります。
実際は、男性を打ちのめす、女性の権利を男性以上にするのではなく、あくまでも「男性だけでなく、女性やそのほかの性別も社会で活躍できる」ことを目標にした、多様性を実現するための活動なのです。
そんなフェミニズムをけん引するフェミニストとして、ハリウッドで活躍する俳優エマ・ワトソンが広く知られています。
彼女は2014年3月にUN Women(国連女性機関)の親善大使に任命され、9月に国連で行ったスピーチでこのように述べています。
私は8歳のとき、親たちに披露するお芝居を仕切ろうとしたら「偉そうだ」と言われ困惑しました。男の子はそうは呼ばれないのに。
14歳のとき、私は一部のメディアによって性的な視点から報道されるようになりました。
15歳のとき、多くの女友達は筋肉質になるのが嫌でスポーツをやめました。
そして18歳になると、私の男友達は自分の気持ちを表現できなくなってしまいました。
これらの経験から、私はフェミニストになることを決断しました。
彼女が言及した「女性の性的対象化」に関して、スポーツ界でも声を挙げたアスリートが多数います。たとえば、ドイツの体操選手である Sarah Voss は「ユニタード」という手首から足首までを覆うユニフォームを着用し、昨年4月のヨーロッパ体操競技選手権に出場しました。これは露出の多いレオタードを着用することで感じた「性的対象化」に抗議する行動として議論を生みました。
伝統的なレオタードは、女子体操選手の身体的柔軟性や優雅さを最も表現できる、正式な競技ユニフォームとして使用されてきました。しかし実際には、月経期に不快感を覚えたり、体のラインが過度に出ることで性的対象化されることに抵抗を感じる選手も多く、必ずしも競技に最適な服装でないことが伺えます。そこでサラ選手はこのように述べました:
Everyone should feel safe and everyone should feel like they are judged for their performance and not for their body, especially when they are young, especially when they are growing.
この件を受け、2021年の東京オリンピックには、ドイツ女子体操代表選手全員がユニタードを着用して出場し、大きな反響を呼びました。
彼女らは、伝統や女性らしさを捨てたわけではなく、選択する権利を主張したのです。これはフェミニズムの強調する多様性、選択の自由に通ずるものがあるでしょう。
ここまで女性の権利についての事例を紹介してきましたが、実はジェンダー平等が実現されていない社会では、男性も知らず知らずのうちに被害を被っています。
「有害な男らしさ(Toxic Masculinity)」
です。
エマ・ワトソンは国連スピーチでこんなことも言っています。
もし男性が男性として認められるために攻撃的になる必要がなければ、女性も服従する必要はないでしょう。もし男性が管理する必要がなければ、女性が男性に管理される必要もないでしょう。
性別に関わらず、私たちには傷つく権利も、強くいたいと願う権利もあるのです。
世間一般の言う「男らしさ」「強さ」によって、社会では「男性が弱い一面を見せることは適当でない」という認識が蔓延っています。それが男性が日常的に感情を表現できず抑圧的な行動をとる原因となり、女性に対する態度にも表れるという悪循環が生まれているのです。
相手が誰にしろ、特定の性別に対する固定概念を誰かに押し付けることはよい結果を呼ばないのかもしれません。
昨年公開されたNetflixオリジナル映画『パワー・オブ・ザ・ドッグ』でも、「男性は他人に弱みを見せてはいけない」といった男性に対する社会的な圧力を題材にしています。主演を担当した俳優ベネディクト・カンバーバッチも、普段取り上げられることの少ない男性の権利について「男性たちの振る舞いを正していく必要があります。その変化のエンジンを覆っている蓋を、少し持ち上げる必要があるんです。」と語っています。
社会的に優位に立っていると認識されている男性の権利にも目を向けることが、フェミニズムに対する正しい理解に繋がるのかもしれません。
最後に、冒頭で紹介した「HeForShe」に関わった日本人について紹介したいと思います。名古屋大学の松尾清一総長です。名古屋大学は「HeForShe」によるプログラム「IMPACT 10×10×10」の世界の10大学に、日本から唯一選ばれました。
松尾総長は、日本のジェンダー問題や労働環境改善に対する取り組みを率いる人物として、性別による教育格差をなくし、日本で普遍的な長時間労働を改善するための活動を行っています。
もちろんジェンダー平等を語るうえで、男女性のみにとどまらず、左利きと同じくらい多いと言われているLGBTQ+に関する議題も大きな割合を占めています。
今社会で必要とされているのは、
「女性だから」「男性だから」といった尺度ではなく、一人の人として心地よく学び、働き、生きる環境づくりなのかもしれません。
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