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【導入事例:クラーク記念国際高等学校】視野を広げ、自分だけの「問い」を考えるきっかけに(生徒インタビュー)

今回は、クラーク記念国際高等学校での事例を紹介します。1992年に開校し、全国各地の拠点で教育を展開する、通信制高校です。11,000人以上の生徒が学び、一人ひとりが興味のあることを学べる多彩なコースや授業が充実しています。

クラーク記念国際高等学校には、「オンライン探求部」という部活動があり、そこでInspire Highを活用しています。そんな「オンライン探求部」に所属する、現在高校3年生の重城さん*に、Inspire Highの活用方法や、活動を通しての学び・成長についてお聞きしました。
(*インタビュー実施時は高校2年生)


1.入学理由と学校の魅力

ーーまずは重城さん自身が、クラーク記念国際高等学校を選んだ理由を教えてください。

クラーク国際に来たのは、高校1年生の12月の冬でした。 私立の高校に1学期通っていたのですが、夏休みに体調崩してしまってから、全日の学校に戻ってももう1回体調崩してしまうのではないかという不安があったので、通信制に転校することを考えました。 幼い頃から大学に進学したいという思いがあったので、大学進学率が高く、目指したい大学に行ける環境があるクラーク国際を選びました。
今はSMART StudyⅡというコースに所属しています。先生とのコーチングを通し、勉強や体調面の相談をしながら、自分と向き合って学習を進められています。

インタビュー時の重城さん(中央)※左右はInspire Highスタッフ

ーー実際に入学してみて、どのような所に学校の魅力を感じていますか?

1つのことに対して集中すると、自分だけの目線で物事を見てしまいがちなので、そういう時に先生に相談して、第三者目線の意見をもらえるのがすごく良いですね。
フレンドリーな先生が多いので、ポロっと弱音吐いても、背中を押してくれ、支えてくれるので、どんなことも相談できます。


2.オンライン探求部について

オンライン探求部は、全国のクラーク生がオンラインで定期的に集い、自分自身の内面と向き合いながら目標や夢を追い続ける部活動です。全国につながっている部員同士で刺激し合いながら、自己の興味関心を深め、進路実現へつなげていきます。世界中のクリエイティブに生きる大人たちから刺激を受ける「Inspire High」の学習プログラムをとおして、グループワークで自分たちの考えを深く探究し、また、企業との連携授業などで学びを深めています。

ーーオンライン探求部に入部したきっかけを教えてください。

クラーク国際に来てから、プロジェクト型学習という授業を通して、答えのないことについて自分たちで考えることに対する興味や楽しさ、新しい発見がありました。そんな中で、もっと幅を広げ、キャンパス内だけではなく全国のクラーク生と一緒に探究できる点に魅力を感じて、探求部に入りました。

ーー探求部での活動は、どのようなことをやるのでしょうか。

オンライン探求部はZoomでの活動になります。第1水曜日にInspire Highの動画を見ながらみんなで探究活動をして、 第3水曜日により深い深掘りをしています。たとえば、自分がどんなアウトプットをしたかを共有してそれについて説明したり、印象に残ってる言葉をみんなで共有して、この言葉がこう響いた、といった学びや発見を話したりしています。後期は、徐々に自分たちで考える企画も増え、0から企画を考えるようなこともしています。
好きなものを貫き通せる子たちが多いのが良いところで、みんなの話を聞くと、知らないことをたくさん知ることができるので、楽しいです。

3.活動を通しての学びと成長

ーーInspire Highの感想を教えてください。

世界中の各分野で活躍されてる大人って、自分には想像できない世界の人なんです。どうしたらそこまで自分を貫けるのか、疑問に思うと同時にすごいなと尊敬している部分でもあって。なので、そんな方々の声を実際に聞ける機会があるんだ、と驚きました。

ーー自分の中で、成長を感じる点はありますか?

Inspire Highでは、ガイドの話を聞いた上で、自分の考えを「アウトプット」として書くのですが、最初はアウトプットを時間内に書き終えることができませんでした。 今までの固定概念にとらわれていたことや、知識がないことによって、自分の中で新しい答えが出てこなかったからです。
でも回数を重ねていくうちに、ガイドの話を聞きながら、「あ、確かにこの言葉はすごく心に残ったな」とか、「こういう視点もあるんだ」というのに気づきながらセッションを見られるようになったことで、 アウトプットをすらすら書けるようになりました。
世界が広がっている感じがしますし、今まで自分の頭の中で開かなかった引き出しが開くようになった感じもします。新しい発見が多いです。

Inspire Highの画面イメージ(画面左はクリエイティブディレクター辻愛沙子さん)

またInspire Highでは、全国の他の生徒のアウトプットに対して、フィードバックをします。フィードバックで面白いなと思うのは、自分とは全く違う環境で育って全く違う場所に今いるのに、自分と似たような意見を持っている人に出会うことです。一方、自分とは真逆の意見を持っている人もいて、その人が書いている「なんでそう思ったのか」という部分を読むと、納得する時もあれば、自分はこうは考えられないなみたいな時もあり、フィードバックの時間がすごく楽しいです

自分のアウトプットは自分だけの視点になってしまうけれど、 他の人のアウトプットを見ると違う視点も得られて、自分の視野が広がります。それに、他の人が自分の意見にフィードバックをしてくれると、共感してもらえた時などすごく嬉しいです。
Inspire Highは匿名なので、 知らない相手だからこそ言えることもありますし、逆に素直になれます。

活動を通して、視野が広がり、好奇心旺盛になれました。中学生の頃から毎年、1年の目標を書く作文に「視野を広げる」と書いていたのですが、全然達成できていなかったなと思っていて。でもクラーク国際に来て、Inspire Highや探求部を通して、一緒に探究している友人から得る情報や、新しい知識や考え方に多く出会ったことで、今年は圧倒的に視野が広がった1年だったなと思います
それに加えて、今までと違って、ちゃんと気になったことに対して調べてみるようになりました。

4.「My Inspire High Award 2023」への挑戦

「My Inspire High Award 2023」では、自分自身の問いを設定し、そのきっかけとなる「My Story」を考え、問いについてのリサーチやロールモデルの選定などを通して、新たに考えたいアウトプットのテーマやアイデアまでをまとめた探究活動を、全国の10代から公募しました。重城さんは、「オーナーシップ」「オリジナリティ」「ディープネス」「クリエイティビティ」「インスパイアリング」の5つの審査の評価基準に基づいて、たくさんの問いの中から全国大会に選ばれました。

ーーどんな「自分だけの問い」を選んだのか教えてください。

「どうしたら自分のことを好きになれる?」を問いに設定しました。問いを決める部分で1番悩み、いくつか候補があったのですが、どれだったら自分を最大限に表現できるかというのを考えました。
「自分の問い」なので、自分の言葉で発表したかったんです。なので、今の自分のリアルを、最も伝えられる問いにしました。

自身の体験と将来の抱負を語る重城さん


ーー挑戦してみて、自分の中で変化などはありましたか?

「アワードに出すぞ」と決めてから、 自分と向き合うようになり、自分の中にどんな問いを抱えているのかを考えるようになりました。
そもそも、自分1人で問いから答えまでを考えるという作業が初めてだったので、大変でしたが、同時に自分と向き合ういい機会だったなと思いました。

プレゼン資料を作ることも苦手で、それに加えてアワード準備と同時並行で学校全体のプレゼン大会もあったので、朝早く起きてプレゼン資料作成、寝る前もプレゼン資料作成...といった感じで頑張りました。
結果的に、納得のいく資料を作ることができ、プレゼン資料を作る能力も上がりましたし、自分と向き合う時間も大幅に増えました。また、自分の言葉で綴ることもできたので、”重城絹”を最大限に表現できたかなと思います。
他の方の問いを見て、「同世代でもここまで違うのか」「こんなに世界って広いんだな」と思いました。今まで自分が疑問に感じてなかったことを、「問い」として取り上げている人も多くて、今後はもっと日常に疑問を持ってみようかなと思いました。

「My Inspire High Award 2023」全国大会の様子

5.今後の展望

ーー来年の探求部の活動の中では、何をしていきたいですか?

一緒に探求する仲間を増やして、みんなで共有しあうことで、それぞれが新しい視点や知識を出し合えたらいいなと思います。人数だけでなく、いろんなキャンパス、いろんな人に来てほしいと思っていますし、全日型のコースの子とも一緒に探求活動をできたらいいなと思っています。
今のようにオンラインで活動するという方法は、離れているところでも一緒に色々なことが出来るという良さがありますが、いつかみんなで一緒にオフラインで集まりたいですね。

ーー残りの学校生活では、どのように過ごしたいですか?

自分の心に正直に向き合っていきたいなと思います。たとえば、「こういう進路に行きたいけど、どうしようかな」という悩みに直面した時に諦めてしまうことがあるので、高校3年生ではすぐに諦めずに、まず調べてみて、一度先生や親に伝えてみて、最終的には実現までできたらいいなと思います。
もう1歩前に行きたいです。勉強面でも生活面でも活動面でも、今よりもう1歩前に。

ーー重城さんの、将来の夢についても教えてください。

今は看護師になるのが1番の夢です。今受験する大学を選ぶ中で、保健師の資格も同時に取れる大学を主に見ています。看護師の資格も持ちつつ、保健師の資格も持ちたいと考えています。社会全体に貢献できるような人になりたいです。

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探求部の活動としてInspire Highを活用し、ガイドの話を聞いたり他の生徒のアウトプットを見る中で、視野が広がったと話す重城さん。自分自身の「問い」と真剣に向き合い、「My Inspire High Award」の全国大会にも参加してくれました。

Inspire Highでは、世界中のインスパイリングな大人、そして全国の10代と意見をシェアすることで、自分の世界を広げられると同時に、自己理解を深められます。Inspire Highの活用事例が、生徒の「生き方」「在り方」に変化をもたらすきっかけ作りの参考になれば幸いです。