内包後脚は錐体路だけじゃない
内包後脚っていうと
どうしても錐体路ってイメージがありますよね
学校で習ったのは、錐体路は内包後脚を通る!これが凄く脳にこびりついているイメージがあります。
僕自身も新人の頃は、麻痺がある!内包後脚を見ないと!って考えが強くありました。
でも当たり前だけど、それだけじゃないですよね。
今回はそんな内包後脚について色々と書いていきたいと思います。
そもそも錐体路って
そもそも錐体路っていうと…
4野(一次運動野)→放線冠→内包後脚→中脳大脳脚→延髄錐体で交叉→効果器へ
みたいな感じですよね。教科書などによってちょっと差はありますが
そして、この経路の中で内包後脚を通るからって理由で、そこに着目していると思います。
でも内包後脚=錐体路って理解だけだとちょっと厳しいと思います。
今回は内包にフォーカスして色々と書いていきたいと思います。
内包後脚には錐体路、つまり外側皮質脊髄路が通ります。
その中でも、ざっくりですが上肢・体幹・下肢ってわかれていますよね。
同定は目安ではありますが、この辺りを通るって理解しているだけでもちょと違いますよね。
この並びを理解しているってだけでもちょっと違います。
錐体路が通るって理解だけだと、どういったことが考えられるのかわからないですからね。
内包後脚を通る経路は錐体路だけじゃない…
そして内包後脚を通る経路はこれだけではありません。
例えば外側皮質脊髄路の前には網様体脊髄路が通ります。
網様体脊髄路といえば姿勢制御に関わる重要な経路ですよね。
体幹や四肢近位筋をコントロールしていると言われています。
姿勢制御にも関わるこの経路が、内包後脚では外側皮質脊髄路の近くを通っているわけです。
これが凄く大事なところですね。
内包後脚を見て、外側皮質脊髄路に損傷がある!だから麻痺がある!
そこで終わってしまうのか、網様体脊髄路に損傷があるということも考えられるってところまでいけるのかは大きな違いです。
もちろん画像だけで、全てがわかるわけではありません。
でも脳画像も一つの大事な情報です。
ここでどれだけの情報をくみ取れるのかということも非常に重要になります。
内包後脚で網様体脊髄路が通る部分は、MRIではちょっとわかりにくかったりしますが、目安としてはこの辺り。
この辺りを皮質橋網様体路が通るわけですね。
皮質橋網様体路といえば、6野から出て同側の伸筋を支配していると言われています。
姿勢制御に関わる経路で、同側の伸筋なので、姿勢保持などにも関わります。
こういった経路が内包後脚を通っている。外側皮質脊髄路だけではないってことを意外と知らない人が多いんです。
随意運動に関わる経路だけが損傷されてしまうという方がむしろ珍しいとさえ思います。
そのあたりが損傷されたり、圧排されたりすると、随意性だけではなくて他の機能も損傷される可能性が高いです。(一時的だとしても…)
だから内包後脚=錐体路
という理解ではちょっとよくないわけです。
そしてここからはさらに、視床との関係や運動ループ、内包前脚についても書いていきます。
この辺りのことも含めて考えていかないと、良くないですよね。
せっかく内包後脚をみようと思ったのに、それだけで終わってしまうとよろしくない。
内包後脚のすぐ近くに視床がありますし、内包だって前脚・膝・後脚と3区分あります。
視床=感覚という理解では残念ながら足りないです…
ここから詳しく解説していきます
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