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北欧リサーチ

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北欧に関係する自分の記事をまとめます。
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記事一覧

デンマークの社会システムを読み解く

今年の頭に4ヶ月、デンマークのフォルケホイスコーレという全寮制の学校に通っていました。同じ建物で暮らす中で、周りのデンマーク人(20代前半〜30代前半)の政治や社会への関心の高さと同時に、それらへの一定の満足感や誇りも肌身で感じることができました。 事前に調べていたこちらの情報も参考に、現地での友達や先生などとの会話を踏まえて、デンマークの社会システムがどう上手くワークしてそうなのかの仮説を一旦まとめてみたいと思います。これを行うことで、デンマーク社会への解像度を上げて、今後

孤独感と心地良さの境界線(留学中のマイノリティ体験を振り返る)

今年の頭に4ヶ月間、全寮制のデンマークの学校に通っていました。デンマーク人に囲まれたマイノリティ環境に対して、最初は強い『孤独感』を感じていました。ただ、そこから徐々に打ち解けていき少しずつ『居心地の良さ』も感じていきました。この体験から、最初の『孤独感』が『居心地の良さ』にどう変化していったのか、どう打開していったのかについて改めて整理してみたいと思います。 孤独感の成立環境今回自分が通っていたデンマークの学校(フォルケホイスコーレ)は、デンマーク人の生徒約30人に対して

デンマークの自転車カルチャーを読み解く(調査と体験レポート)

デンマーク滞在中に驚いたのが、自転車人口の数と自転車レーンの充実ぶりでした。背景を調べてみると、環境負荷軽減や景観の改善、運動不足解消(医療費削減)などの効果を見越した民意と政治の動きがありました。現地での実際の体験を交えつつ、自転車という側面からデンマークへの理解を上げられたらなと思います。 前提知識 (事前調査)基本情報 デンマークでは10人中9人が自転車を所有しており、デンマーク人は平均して1日1.4km自転車に乗ります。また、自転車は10キロ未満の移動の21%、全

フィンランド暮らしで気づいたこと ー9年ぶりに振り返るー

今から9年ほど前になるのですが、フィンランドのヘルシンキに1年間留学をしていました。自分の人生において、多大な影響を与えられた経験だったなと思います。フィンランドで暮らす中で、優れているな、面白いなと思うことが多くあったのですがこれまで記録できてなかったので、改めてまとめてみたいと思います。 9の気づき【ポイント①】 人の暮らしと自然の近さ 都市のヘルシンキでも、人々の暮らしと自然との距離感が近く、常に自然と隣り合わせの環境でした。ヘルシンキのど真ん中には、広大なヘルシン

デンマーク留学事前デスクリサーチ

2024年3月〜6月末の約4ヶ月、デンマークに留学します。 北欧の滞在は2度目です。9年ほど前にもフィンランドに1年ほど留学しており、その時感じた暮らしの豊さが自分にはとても魅力的でした。(詳細は別記事にて) 今回のデンマーク留学の中で、同じ北欧として、そしてデンマーク特有の豊かさについて深く観察するための事前準備として、デスクリサーチをざっくり行います。 前提整理3つの切り口 前回のフィンランドでの暮らしの中で、なぜ豊かに感じたのか。その背景としてあるのは、以下の3つ(

COMPATH体験レポート(日本版フォルケフォイスコーレ)

5/22から8日間、北海道の東川町にて日本版のフォルケホイスコーレと言われているCOMPATHに参加してきました。学びが多い1週間だったので、体験したことについてメモします。​ ▼COMPATHについて ▼今回のプログラムについて そもそもフォルケとは?フォルケホイスコーレとは、19世紀にデンマークでできた、民主主義的思考を育み、知の欲求を満たす"人生の学校"です。大きな特徴としては、若者からシニアまで幅広い年代の人たちが、共同生活の中でお互いに対話をしながら、自分自身