見出し画像

自分をポジティブにしてくれるパワースポット

自分を振り返る旅。
1月初めに思い出深い場所を訪れました。

私は高校卒業後に渡米して、マサチューセッツ州のボストンで大学生活を送り、6年ほどを過ごしました。

留学先から日本に帰国後、初めて勤めた会社はオメガやヴァセロン・コンスタンタン、ライカなどの日本市場参入を成功させた、スイスの歴史ある高級商材を扱う商社のインテリア事業会社でした。

まだ日本にインテリアという言葉が広く認識されていなかった1970年代初めの頃、外資系インテリア企業の中で、いち早く日本に進出した老舗の会社で、いわゆるセレブ御用達ブランドでもあり、多くの著名人や政治家の方々をはじめとしたお客様にご愛顧いただいていました。

私は入社以来、マーケティング部門に所属して、商品企画やトレーニング、新作発表イベントやPRなどを、ほぼ一人で担当していました。

美術館巡りの趣味が嵩じて、大学での専攻学科の合間を縫ってアートも学んだ私にとって、インテリアの仕事はまさに天職でした。インテリアはアートとの親和性が高く、仕事が大好きでライフワークだと思って取り組んでいました。

仕事が心底楽しいと思えるまでは、かなりの間、日本へ帰国したことによるカルチャーショックに悩まされていました。日本の商習慣に順応するために気を遣うといった、日本人らしからぬ苦労を強いられて、一人忍耐との戦いの日々もありました。

生涯を通じて働く職場だと信じて疑わずに、まさに身を削って精一杯働き、明けても暮れても仕事ばかりの日々を過ごしていて、典型的なワーカホリックでした。

そして勤続10数年が経過した頃、東日本大震災が発生。同年秋には尊敬していた父が急逝し、翌月には憧れだったスティーブ・ジョブスも他界してしまいました。そのタイミングをきっかけに、自分の人生を見つめ直す機会がありました。

当時は年に数回の新作発表をはじめ、全国で開催されるイベントとともに、国内外の出張などもあり、年間を通じて途切れることなく目まぐるしい日常が続いていました。ふとした瞬間、10年以上続けてきた生活から一旦離れて、腰を据えて仕事がしてみたいとキャリアを考え直し、結果的に退社を決意しました。

自分の思うままに仕事人生を歩んでいた私にとって、いちばん衝撃だったことは、亡くなってしまった父にも、残された母にも、全くと言っていいほど親孝行が出来ていなかったこと。取り返しようがない現実に愕然として、全ての価値観がリセットされてしまいました。

当時の私にとって、人生の大部分を占めていた大好きな仕事を手放すことは、簡単なことではありませんでした。退社してからも、かなり後悔もしました。今でさえ時々夢に出てくるほど思い入れのある職場。

その後、異業種へ転職し、ワークライフバランスを重視した全く違う環境で経験を積むことになって、素晴らしい方々にも出会い、キャリアチェンジの選択は最善の方向転換だったと信じています。

それでもやはり、今思い出しても胸がチクチクしてしまうほど、私にとっては辛かった決断。どんなに困難な選択であっても、次に進む原動力を蓄えることが出来たのは、未熟者だった私を一人前に育ててくださった多くの方々のおかげです。

当時の会社があった新宿パークタワーは、そんな20代から30代の思い出がたくさん詰まっている場所。一緒に仕事をさせていただいたみなさんが、今にも現れて来そうな懐かしい空気に満ちています。

そのパークタワーの上層階にあるパークハイアットでは、大切なお客様をお迎えしたり、新作の販売戦略について熱く語り合ったり。企画に煮詰まったり落ち込んだ時などは一人静かにラウンジを訪れて、いつ見ても美しい景色を眺めながら、自分に喝を入れたりしていました。

精一杯がんばった頃の思い出があるからこそ、今でもエネルギーを与えてくれる私のパワースポットと言っても過言ではないパークタワー。

新年早々、そんな私の思い出の場所へ出向き、SNSので知り合った女性起業家や個人事業主として活躍されているお友達にお会いしました。

起業を決意した私にとって、興味深いお話をお伺いすることが出来ました。楽しいひとときを過ごさせていただいて、ポジティブな気持ちでいっぱいになりました。

2020年のコロナ禍以来、勤務先の感染対策で会食禁止だったこともあり、家族以外の方との会食は2年以上振り。そんな私にとって、久々の会食をパワフルなみなさんと思い出深い場所で過ごせたことは、かけがえのないご褒美のひとときでした。

起業に向けて準備しなければならないことが山積みで、会社員時代とは全く異なる孤独な戦いが続きますが、いただいたエネルギーを糧にがんばっていきたいと思います。


写真はパークハイアットからの風景。若かりし日と変わることない美しい風景に癒されるとともに、自分を取り戻せる大切な場所であることを改めて感じました。

自分を振り返る旅、みなさまもぜひ人生のターニングポイントなどの機会にされてみてくださいね!

Twitterはじめました
よろしければご覧ください!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?