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海外(香港・中国)で女性管理職になってびっくりしたこと!

中国広東省と香港の2拠点で女性管理職として働き始めた頃は、新鮮な経験と新しい発見で毎日が刺激的でした。しかしその興奮も束の間、「管理職って本当に大変だな」と思う出来事が次々と降りかかってきました。これまでの自分の業務範囲を超え、部門間の調整や拠点間の連携、さらには新たな専門知識の習得や協力工場の開拓まで、責任は格段に増えたのです。

今回は、そんな海外での管理職経験の中で「びっくりしたこと」をシェアしていきます!


1. 仕事量の増加と「人間関係で仕事が止まる」驚き


日本や香港で働いていた時は、自分の業務を確実にこなせば問題ありませんでした。でも、中国で管理職になると、部署間の摩擦や人間関係のもつれが原因で仕事が止まる、という予想外の事態に直面。

「え、こんなことでプロジェクトが遅れるの!?」と思ったこともしばしば。そんな時は、心の中で「いい加減にしてよ…」と言ってました。

チーム全体の成果を求められるため、個人プレイでは済まされません。調整、問題解決を促進するために動き回る日々、そして、メンバーの育成・教育も「管理職の仕事なんだ」と気づかされました。仕事量の多さにめまいがしそうでしたが、この時は、笑って乗り越えるしかありませんでした。

2、面子(メンツ)が絶対の文化

世界中国での管理職経験で一番印象的だったのは、「面子」の文化。
相手の顔を立てることが絶対的なルールであり、それを知らずに行動すると信頼を失います。取引先や現地企業との交渉では、どんな時でも相手の面子を潰さないよう気を配ることが必要でした。

逆に、こちらが相手を立てることで信頼関係が強まり、スムーズに物事が進むのです。「面子」という一見複雑な文化も、理解すれば強い武器になると学びました。

3、グレーなビジネスの現実

ここでは、詳細は省きますが、2000年代〜2010年代の中国では、賄賂や裏取引といったグレーなビジネスがまだ残っていました。当然、私の勤務先ではこういった行為は厳しく禁止されていましたが、それでも無関係ではなかったのです。
それに、なにもないのに突発的に警察が会社を訪問するなどの出来事も。

こうした環境では、外資・日系企業ともに、もちろんさまざまな対策をとっていたようです。もちろん、わたしの勤務先もです。

4、接待の洗礼


役職がつくと増えるのが接待…のころの時代でした。今は接待自体が随分減ったように感じます。

当時、日本や香港ではあまり経験しなかったのですが、管理職になってからは積極的に接待もしましたし、誘われれば参加したものです。1次会ではお客様とビジネスの話や互いの打ち解けた話が進みますが、2次会以降は男性陣だけで夜の街に繰り出すのが恒例でした。

広東省にも不夜城といわれた歓楽街があり、一度3次会まで同行した際、「ああ、男性たちが3次会を楽しみにしている理由ってこれか」と噂の場所に訪れて、理解した時があり、それ以降は遠慮するようになりました(笑)。とはいえ、この接待文化を通じて信頼が深まるのも事実で、いろいろ考えさせられたことのひとつです。

5. 責任の重さを超える「やりがい」

「責任が重い」「仕事量が多い」と覚悟していましたが、それ以上に管理職のやりがいは大きいものでした。チームを育て、プロジェクトを導き、目標を共有しながら進む。その過程では、プレッシャーも責任も半端なかったのですが、新たな世界を見て、挑戦し続ける喜びを感じました。

これが管理職になって自分が感じた一番の驚きだったかもしれません。

最後に

「管理職になったからびっくりした」というよりも、「中国で働いてびっくりした」という方が正確かもしれませんね。でも、役職に就いたことで、仕事の内容や関わる人々が大きく変わり、驚きと学びの日々でした。

そうそう、私が優秀だったから管理職に抜擢されたわけではありません。「タフで自分の意見を持ち、外国人の中で揉まれるのも大丈夫だろう」という理由だったようです。うまくいかないことも多々ありましたが、そんな信頼に応えられるよう、日々挑戦していきました。

中国や他国で働きたいと考えている人たち、女性であってもこんな挑戦もあるという、この経験から何かを感じてもらえたら嬉しいです。


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