薬とお金

お久しぶりです。
2023年最初の投稿です。

ここ数年、日本で投資に関する話題を見かける機会が増えましたよね。ふるさと納税、積み立てNISA、iDeCoなどなど。積み立てNISAに関しては2024年から新NISA制度が始まるようですし、岸田首相が「貯蓄から投資へシフト」「資産所得倍増プラン」など言っていますよね。

首相の発言に影響されたわけではないですが、僕は昨年末から年始にかけて何冊かお金に関する書籍を読みましたので、それらを紹介していきたいと思います。

1.薬剤師になったら最初に読みたい大学では教えてくれなかったお金の本

まずは昨年話題になったこの本。
タイトルにあるように薬学部ではお金に関して学ぶ機会はありません。一般教養の科目では学ぶ機会はあるのかもしれませんが。さらにもっと言うと小学校、中学校、高校とお金についてしっかり学習した記憶がありません。もしかしたら授業はあったのかもしれませんが、覚えていないということはそれ程時間は費やしていないはずです(多分)。

主に自分の身の回りのお金に関すること(ex. 生涯収入、税金、節税、制度、ライフイベント毎の費用、副業など)について知ることができます。
給料日になるといくら振り込まれたか、税金としていくら取られているかくらいは確認しますが、給与明細に書いてある項目が何を意味しているのかはよく分かっていない人も多いと思います。世の中にはFP検定の本などお金に関する分かりやすい書籍がたくさんありますが「別にFP検定なんて受験しないし本は買いたくないなあ」とか思う人もいるかもしれません。しかしこの本は薬剤師を対象に執筆されているのでお金に無頓着な薬剤師でも読みやすい1冊となっています。新社会人、これからお金の勉強をしたい全ての薬剤師の方は是非読んでみてください。


2.薬とお金・社会との関係を科学する

次に紹介する本はこれです。
初版2017年であり、内容の多くはまだまだ現役の知識として使えそうです。
タイトルの通り薬とお金・社会の関係が分かる1冊となっております。先ほどの本は身近なお金の本、こちらはもっと大きい話、日本の医療保障制度や医療の経済効果などを学ぶことができます。

教科書のような本(どこかの大学で教科書指定されてそう)で、少し気合を入れないと読めませんが内容はそこまで難しくないです。
我々薬剤師は目の前の患者のためにより良い薬物治療を提供しようと一生懸命に薬学・医学を勉強していますが、少子高齢化社会の今、医療費の更なる増加がひっ迫した問題としてクローズアップされており、医療費削減の意識を持って薬剤の適正使用を行っていく必要があると思っています。ただその意識を持って働いている薬剤師は多くはないと思いますし僕もその一人です。
まずはこの本を読んで、薬とお金・社会との関係をもう一度学んでみるのはどうでしょう。この本でそれらを広く浅く学ぶことができると思います。


3.そろそろ医療の費用対効果を考えてみませんか?

次に紹介する本はこちら。
薄いので比較的すぐ読み終わります。医療経済評価について学ぶことができます。学生時代に学んだQALYsやICERなども記載されています。もちろん1回読んだだけでは僕は理解できませんでしたので、あと2-3回は読み直したいと思っています。
第4章では費用効果分析の論文を紹介していますが、薬剤師の仕事もこれらの手法などを用いて定量的に評価できれば診療報酬改定の際に薬剤師の仕事が評価されて点数が付いたりするんじゃないかと思うので、この手の研究もやってみたいなあと思ってます。もちろんこの分野の専門家の協力が必要ですが(笑)


4.”中堅どころ”が知っておきたい医療現場のお金の話

次はこの本です。
昨年秋に改訂版が出ており、最新の制度に対応しています。非常に分かりやすく本当におすすめの1冊です。
もちろんまだまだ管理職とは程遠い僕には直接関係のない話も多いですが、医療経営について、診療報酬について、病院収支のしくみについてなどを学ぶことが出来ます。

病院は絶対に潰れるわけがない!と思っている人もいるかもしれませんが、全然そんなことはなく赤字が続けば潰れる可能性はあります。給料が下がる可能性だってあります。病院薬剤師であればほとんどの人が上司から「指導件数を増やせ!!」と言われた経験があるのではないのでしょうか。ところで病棟で働いている薬剤師の方、薬剤管理指導業務と病棟薬剤業務の違い、各種算定の要件を説明できますか?もちろん多くの病院薬剤師は説明できると思いますが、先輩から引き継いだことを何となくやっている人もいると思います。我々薬剤師が行っている業務はしっかりとお金を生み出しています。新人の頃はお金の話よりも薬物治療についてしっかり勉強すべきですが、新人を卒業した僕のような薬剤師はそろそろこの手の内容も勉強してみてもいいのかなと思うので是非読んでみてください。
ちなみに薬剤師を対象とした本ではないので、薬剤管理指導業務や病棟薬剤業務などは出てきません(笑)


5.医療事務の現場で役に立つ公費説明のポイント

最後はこの本です。
医療事務向けの本ですが、公費に焦点を当てた本となっています。
僕は購入してしまいましたが、立ち読みでも全然良いです。とても簡潔に分かりやすく書いてあるので、薬剤師が公費についてちょろっと勉強するには良い1冊だと思います。専門書より遥かに安くて羨ましいです。


以上、年末年始に僕が読んだ5冊を紹介しました。

パラパラ読んだだけなので1週間もしたら内容の大半は忘れると思いますが、社会人は学生のような試験はほとんどないので「たしかあの本に書いてあったな」と思い浮かぶようになっていれば良しと思ってます。

毎年毎年言っていますが、今年こそは定期的に記事を書いていきたいです。

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