光るガラスとアルミニウム

 iPhoneの電源を消してみる。ただの金属とガラスの物体である。 

 光のないiPhoneを見ると行為としてはそれを指でこすっているだけであることに気づく。しかし電源を入れてそこに文字や画像が浮かび上がると笑ったり怒ったりして巨大な金が動いたり、人が消えてしまったりするのだから不思議だ。

 かといって僕は平成初期の生まれであって、電子機器を嘆く世代ではない。ゲームボーイアドバンスSPの発売が発表された時、コロコロコミックの「どこよりゲーム天国」の紹介で、画面が光るから布団で隠れてこっそりゲームができるぞとイラスト付きで宣伝されていた。子供心にとてもわくわくした。今思えばそれ以前のゲーム機の画面は暗すぎてよくこの暗さでやっていたなぁと思うけれど。

 当時はゲームは1日1時間という決まりであった。セーブするための時間が必要である、という謎の交渉によってタイマーは1時間10分に設定していた。その習慣は案外自分の中に根付いていて、今でもたまにゲームをやる時などは1時間を超えるとそろそろやめておこうと思う。そしてセーブをして1時間10分ほどでやめる。

 健康的、では別にない。それ以外で一日中スマホやPCを触っている。そういった機械が脳に負担であるか、不要なキャッシュをためるのかはわからない。ただボールペンで紙に大量に字を書いたときは脳が洗われる気がする。時代遅れの先入観か、案外人類うん万年の歴史は侮れないのか、これはもう少し先にならないとわからない。ただ、現状この大洪水からは逃れる術がない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?