『サウルの息子』サウルのガディッシュ(死者のための祈り)へのこだわりがユダヤ人にとり救いになるのではないだろうか(世界の歴史)
ハンナ・アーレントがアイヒマン裁判のレポートでアウシュビッツにおけるユダヤ人の関与を明らかにした。その関与のひとつにゾンダーコマンドがある。それはユダヤ人でありながら、アウシュビッツで殺されたユダヤ人を焼却する(なかったことにする)などの単純労働を行う人たち。
この映画の主人公サウルは息子の遺体をユダヤ教のラビによるガディッシュ(死者のための祈り)を求め続けもがく物語。ハンガリの映画だが、ゾンダーコマンドに焦点を当てた映画をはじめて観た。
映画「ハンナ・アーレント」では、ユダヤ人関与をレポートしたため同胞のユダヤ人からヒステリックな批判を受けたアーレントが描かれているが、人類最大の犯罪にユダヤ人自身が関わっていたことは、ユダヤ人にとり衝撃だ。
サウルの息子に対するガディッシュへのこだわりは、自ら望んだ訳でもなく携わらずを得なくなったゾンダーコマンドであろうとも、ユダヤ人として行動したいと願う良心の表れだろう。この映画はユダヤ人にとり救いになるのではないだろうか。
Creative Organized Technology をグローバルなものに育てていきたいと思っています。