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scaristory_eng
『山本七平全対話3 神のいる国』パレスチナ人が他のイスラーム諸国の関係がよく分かる(イスラーム)
正月に読んで書評を書いていなかった山本七平さんの対談集。
加瀬:そのくせ、サウジやヨルダンの王家はパレスチナ人はきらいでしょうね。PLOに対しては、きっと洋服の着方から話し方からすべて、イスラエル人よりも、きらいだと思う。
山本:パレスチナ人はレバント系で農民ですから、サウジやペルシャ湾岸とはやはりあわないらしいんです。現地でも嫌われるでしょう。しかしペルシャ湾の小国ではパレスチナ人が逆にその国を押さえて、どこの国か分からない国があります。皮肉なことに、かつてユダヤ人が占めていた位置は、たいていパレスチナ人が占めているんです。
この本によって、イスラムの国々、つまり「神のいる国」の中で、ペルシャ系や砂漠のスンナ派とレバント系のパレスチナ人とは違う、という日本人には分からないニュアンスを理解することができた。そして、イスラム社会の中ではパレスチナ人は上記のように嫌われているのも知らなかった。
山本七平さんの中東に対する教養は深い。
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