見出し画像

山口周先生に学ぶ、読まれるnoteの書き方

山口周先生には会ったことも話したこともないですが、noteの記事はよく読ませていただいています。そして、山口周先生のnoteの書き方を参考にnoteを書いています。

最近の以下の記事にもその学びを実践しています。

山口周先生から学んだことは3つあります。

  1. 章のタイトルはその章で伝えたい結論を書く

  2. 抽象と具体でミルフィーユにする

  3. 書きたいことを書く前に信頼を得る

順に説明します。

章のタイトルはその章で伝えたい結論を書く

山口周先生の章のタイトルはほとんど、その章でもっとも重要な結論が書かれています。
例えば『組織の劣化の構造原理』の記事では

  • 三流にウケるのが大事

  • 組織は構造的宿命として劣化する

  • 確率の問題として組織論を捉える

と章のタイトルにはその章の結論が書かれています。そのため、山口周先生のnoteは章のタイトルさえよめば言いたことが伝わります。

僕の記事も同じように、タイトルには一番伝えたい結論を書くようにしています。例えば『新卒・未経験からUIデザイナーになるリスク』では

  • 『意匠』が弱いUIデザイナー

  • UIデザイナーは『設計』重視になりがち

  • 初期に学ぶなら『意匠』がオススメ

と章のタイトルにはその章の結論を書くようにしました。
文章を書くことを生業にしている方々なら当たり前の知識でしょうが、できていないnoteはたくさんあります。
例えば

  • はじめに

  • プロダクトの特徴と魅力

  • 成功に向けた新たな戦略

のようなタイトルをつけていませんか?
これ、実は情報量0のタイトルです。タイトルは章の概要を書くのではなく、何を結論として伝えるのかを書きましょう。
noteが読まれる第一歩です。

抽象と具体でミルフィーユにする

文章は具体的な体験を抽象化して、抽象→具体の順で書くと理解しやすくなります。そして、章と章の構成も、章の中の文章の構成も抽象→具体の順で書きましょう。

例えば、山口周先生の『プロジェクトを炎上させないための「たった一つのコツ」』では、以下のようなミルフィーユ構造になっています。

章のタイトルでは
1. 「勝てるプロジェクト」を見極める(抽象)
2. 「勝てないプロジェクト」を見極めるチェックポイント(具体)
という順番になっていて抽象から具体に進んでいきます。

そして、『「勝てるプロジェクト」を見極める』の中の文章でも、「プロジェクトの目利き」という抽象化された文章から、「ナポレオン・ボナパルトのトゥーロン港の攻防」という例を出して、具体化しています。

[抽象]
ではどこに違いがあるのかというと、「プロジェクトの目利き」に違いがあるのだろうと思っています。端的にいうと、僕は「確実に成功が見込めるプロジェクトだけをやってきた」ということです。

「勝てるプロジェクト」を見極める - 山口周

[具体]
でも、これは軍事でもマーケティングでも基本的に同じことです。たとえば、連戦連勝で知られた「作戦の天才」ナポレオン・ボナパルトのその「強さ」の秘密について、19世紀プロイセンの軍事学者で「戦争論」の著者として知られるクラウゼビッツは端的に「勝てる闘いしかやらなかったから」と指摘しています。

有名なのはトゥーロン港の攻防でしょう。1793年、重要拠点であるトゥーロン港をめぐって英仏両軍は消耗戦をくり返していました。ここで若きナポレオン(当時二十四歳)は、トゥーロン港を直接攻撃するのではなく、トゥーロンの内港と外港をつなぐ位置にあるレギエットの要塞を攻略し、英軍にとって不可欠な海からの補給を絶つという作戦を将軍に進言したのです。

「勝てるプロジェクト」を見極める - 山口周

僕の『なぜ「実装がわかるUIデザイナー」が必要なのか』でも、実装がわかるとは「簡単なフローチャートをイメージできる」ことだと抽象化したあとで、具体的なトグルの実装について語っています。

[抽象]
プログラミングはできなくていいけど、「ユーザーがアクションした時と結果画面の間に、どんな情報のやり取りがされたのかをイメージできること」をUIデザイナーは求められます。

なぜ「実装がわかるUIデザイナー」が必要なのか - 村田俊英

[具体]
具体例として、デザイナーがトグルのある機能のデザインをした場合を考えてみましょう。
実装されてプレビューで触ってみると「トグルを押すと、すぐに切り替わらず、ちょっともっさり感じる」とき、あなたはどうしますか?

なぜ「実装がわかるUIデザイナー」が必要なのか - 村田俊英

こうして見ると、抽象→具体は結果として結論→理由になっているので理解しやすい構造になっていることがわかります。文章全体の構造も文章の中身の構造も抽象→具体と書くというルールにすると、noteが書きやすくなるでしょう。

書きたいことを書く前に信頼を得る

最後は書き方ではなく、書く前の準備です。
あなたが何を書いても、noteやSNSでの信頼がなければ読まれるチャンスは少なくなります。ネット上での信頼は、いまのところ残念ながらフォロワー数や経歴・肩書きによってしか得ることができません。
これは拒絶したくなる残酷な事実ですが、この事実を認識して戦略に組み込むことは有用です。

山口周先生の『ビートルズから学んだ「人生の戦略」とは?』にある、「順番が大事」ではこのことについてわかりやすく説明されています。

そして最終的には、非常に難解な「ホワイトアルバム」のレベルまで突き進んでしまう。しかし、このアルバムは世界中から支持される作品になったわけです。

この一連のシークエンスを整理して改めて気づいたのが「大事なのは作品の質よりもリリースする順番だ」ということです。

もしホワイトアルバムがデビューアルバムだったら、おそらくビートルズは全く受け入れられずに消えていたと思います。つまり重要なのは「作品の質」ではなく「作品の順番」だということです。これがビートルズの成功を分析して得られた一つ目の洞察ですね。

なので僕は二冊目を出して全く売れないという事態に直面した後に、「自分の書きたいものを書く」ということを一旦保留して、「この人が出せば一定の部数が売れる」という信頼をまずは勝ち得る状態を作る、ということに戦略目標を大きくシフトしました。

ビートルズから学んだ「人生の戦略」とは? - 山口周

僕も有難いことにいまではXに3,000フォロワーいますが3ヶ月前までXのフォロワーは400程度でした。3ヶ月でいっきにフォロワー数の伸ばした方法は2日に一回投稿したデザインのティップスです。

質の高い真似したくなるティップスを投稿すれば、いいね数とフォロワー数が増えることはわかっていました。そして、2,000フォロワーを超えるまでは自分の考えや思いは絶対に投稿しないことに決めていました。

Xに投稿していたティップス画像

山口周先生の戦略と全く同じ方法だったので、このnoteを読んだときは驚いたとともに深く納得しました。人間は本当に「ティップス系」や「スキル系」に飛びついてしまう生き物なんですね、、、それ系の本や投稿が増えるのは仕方がないようです。

それ以前の本は、ほとんどの書籍のタイトルに「外資系コンサルの・・・」という枕詞がついていることからもわかるとおり、基本的にすべて「スキル系」の本です。

率直に言って、自分としては、それほど書きたいテーマというわけでもなかったんですが、「これを書けば確実に売れる」ということはわかっていたので、とにかくまずはそれらのテーマについて書いて、市場や出版関係者の間に信用を作ってから、書きたいものを書かせてもらおう、ということをやっったわけです。

これが、ビートルズから学んだ「人生の戦略=ライフ・マネジメント・ストラテジー」の一つ目=「人生は順番が大事」ということです。

ビートルズから学んだ「人生の戦略」とは? - 山口周

仕事でもnoteでも成果を出したいなら「順番が大事」です。自分がやりたいことをやるためにも、まずは信頼貯金をコツコツと貯めていきましょう。

以上、noteを書くときに少しでもお役に立てれば嬉しいです。
太田 賢一さんの『アウトプットの秘訣』もご一緒に。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集