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【マガジン集】農地の生きものを育む技術とは?

農地の生きものを育むための基本的な考え方、栽培技術として不耕起栽培、緑肥作物の利用、自家採種の関連記事を紹介します。
さらに「生きもの調査」も農地の状態を診断する農業技術として、生産者だけでなく消費者とともに行うことで、つながりが薄くなってしまった食と農の距離を縮めることができます。
ここでは、これらの記事をまとめた「マガジン」を紹介しています。


農業技術を採用する前に

農地に棲息している多種多様の生きものと、それらの生活の基盤となっている土壌、水、気象などの物理的化学的な環境を全体として一つのシステムと捉えることが大切です。
そして採用すべき技術は、安全面や環境面などの社会的な利益が同時に得られる持続的な手法を優先すべきです。

不耕起栽培の可能性を考える

不耕起栽培とは、一連の栽培管理のなかから耕耘や整地の行程を省略する方法です。
したがって、植物残渣をすき込むことがなく、有機物の集積層が主に地表面に形成されるという特徴があります。
この有機物集積層が土壌に棲む動物や微生物の餌や生息場所となり、作物栽培に欠かせない土壌環境の形成に役立っています。
ここでは、不耕起栽培によりもたらされる長所を伸ばし、短所を小さくする方法を紹介します。

緑肥作物の活用方法を考える

緑肥作物の利用法には、収穫を目的とする主作物と栽培期間をずらす方法と、主作物の栽培期間中に畝間に緑肥を栽培する方法があり、主作物と緑肥作物との組み合わせを変えることで、さまざまな導入方法が考えられます。
ここでは、農地に有機物(腐植)を確保しながら、生きものの密度を高めるなど、緑肥作物の導入による効果を紹介します。
有機農業実施者の緑肥作物を活用した栽培のヒントになることを願っています。

自家採種のすすめ

採種はその土地土地にあったタネを、ヒトが生きるために、守り育てられてきた技術です。
自家採種(自分でタネを採ること)を続けることで、その畑の性質(土壌や気象条件など)にあった環境適応能力を備えたタネになっていきます。
この能力を利用して、肥料を与えず耕起をしないなど、作物にとって厳しい条件の畑で採種することで、少肥で育つ根張りのよいタネを選抜することも可能です。

「生きもの調査」は田畑の状態を診断する農業技術

持続可能な農業を再生するためには、本来農地に棲息できる生きものを識って、その役割を認めることが大切です。
田畑の「生きもの調査」をとおして、栽培管理とそこに棲息する生きものとの関連を認識することができます。