缶けりしようぜ!!
さとあやは高校生になるまで気づけなかったことがある。
本格的に自覚したのは大学に入るころだ。
それは、自分のおうちが「貧乏かもしれない!」ということだ。
本格的におかしいと思ったのは大学の時である。
あまりにも普通になされる会話の中に以下のような会話があった。
「仕送りいくらもらってる?」
「20万!」
「えー多いー!」
「私なんて7万円だよ!」
に、に、20万円?!
な、な、7万円?!?!?
まてまてまて!
「いいなーそのヴィトン!」
「いいでしょ!お父さんに買ってもらったんだー」
までまでまでまで!(濁点ついちゃったよ)
それいくらよ!
もうカルチャーショック。
さとあやは東京から通ってるので当たり前だが仕送りはない。
わかるよ、それはわかるよ。
だが…世の中は、そんな若者に(私からしたら)そんな大金を渡すのか…。
そしてヴィトンなんてものを持つ友達と出会ったのは初めてだ…。
聞けばその子たちが住んでいるのは、都心。
友達がたまり場になっていたりする。
つまり都心且つ広いってことだべ?!
どういうことなんだ…🐗…。
その時にわかったことは2つ。
・うちの母は今まで私にお金がないと思わせないように母子家庭にもかかわらず頑張ってきたとういうこと。
・同時に、うちは低所得だったのかも?!
だった。
思い返せば
私は都営住宅で育った。
都営住宅とは、低所得の家庭が住むことが出来る団地。
…というのは大人になった今だから言えるけれど、
子供の私にとっては「帰る場所」であり「住んでいる場所」だった。
それは空気を吸うように当然にあった環境だった。
目の前に小学校があり、逆の目の前には公園が広がっている。
駄菓子屋さんだって走って3分。
友達の家だって、自転車で5分。
それが子供のさとあやの世界。
そして、今も昔も、都営住宅暮らしには感謝している!!!
(このいのししはこの団地ではぐくまれたのだ!)
そんな中でも私が夢中になった遊びがいくつかある。
そのうちの1つが「缶けり」だ。
缶けりは拾ってきた350mlの缶を広場の真ん中において、
缶を倒したら勝ち。
缶を倒されないように守る人が1人いる、という単純なゲームだ。
私はこの缶けりが何よりも夢中になった遊びで、
小学校の放課後、なんとなしに集まる小学生と一緒に何度も遊んだ。
この缶けりをお気に入りな理由は大きく分ければ2つ
・缶さえあれば出来ること
・誰でも参加できること
さらに、
「誰でも参加できること」を分解すると3つ。
→年齢問わず
→貧富の差関係なく
→頭脳も関係なく
だった。
もうとにかく楽しかった!
日が暮れるまで、ただただ、缶を蹴ったり、守ったり。
みんなで笑ったり、エキサイティングしたり、悔しがったり。
そして日が暮れれば、1人、また1人と家に帰っていき、
缶けりは終わるのだ。
楽天で働いて5年が過ぎたころはっきりと気づいたのは
私が今までで一番楽しんでいて、且つエキサイティングしていたのは
あの缶けりだったのかもしれないということ。
以来、缶けりと同じくらいに楽しめるものをずっと探しながら遊んでいるのかもしれないってことだった。
漫画を描き続けていたことも
バレーボール部で青春したことも
大学でバスケ部に入ったことも
ベンチャーの楽天に入ったことも
すべて・すべて・すべて。
ここまで何故、幼少期のことを書いたのかというと、
改めてみんなを「缶けり」に誘いたいから。
缶けりは世界中の誰もが参加できる素晴らしい遊びだ。
天城湯ヶ島という私が惚れ込んでいるこの町おこしを
缶けり同様みんなでやりたいです。
「みんな」って、
今天城湯ヶ島に住んでる人、
むかし天城湯ヶ島に住んでいた人、
別の場所にふるさとを持ってる人
わたしのようにふるさとをどこにも持っていない人
すべての、人、です。
なんで天城湯ヶ島なの?
私にとって、それは、
「なんで缶なの?」
という問いと同じくらいのことかもしれない。
天城湯ヶ島を、みんなで、つくりたい!
はい!
みんなで!
一緒に!
今だからこそ!
どの職業の人とも!!!
どの人種の方とも!!
どの年齢の方とも!!
官公民一体で!!!!
「天城湯ヶ島」という名の「缶けり」を!!!
ふがーーーー!🐗
缶けりする人、この指とーーーーまれ!!!!
それでは、また!
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