「キャプテンも辛いね」
「ダッチマン号の乗組員はみな、迷える子羊」

それぞれの無念を晴らすまで、大海原を彷徨う定め。

「ところで。ここへ来る途中、人魚の歌声が聞こえたけど」

舵輪を握る操舵手エリックを、シスターが見る。

「故郷のシチリアに残してきた恋人そっくりなんだ」
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夢を渡る小説家イーノ
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