マーダーミステリー制作こぼれ話② キャラクターが持つべきもの
マーダーミステリーにおいて、キャラクターの魅力が作品の満足度に大きく寄与することは間違いないでしょう。
なぜならば、プレイヤーにとって演じるキャラクターこそが主人公であるからです。影の薄いモブキャラを演じてみたい、という人はほとんどいないでしょう。
今回はこの大事な大事なキャラクター制作のツボを、的を絞ってお話しします。
※キャラクター制作の例を用いて説明していますが、これはどの作品のネタバレにあたるものでもありません。単なるその場の思いつきです。
キャラクターが持つべき設定
キャラクター制作において、必ずと言っていいほど「持つべきもの」というものがあります。
① 表の顔
② 秘密
③ 目的
これらをしっかり持たせてあげることは、マーダーミステリーのキャラクターを魅力的にするためには必須と言えます。
表の顔
これは「周りの人たちにどう認識されているか」を意味します。この情報は、ゲーム開始直前までに他のプレイヤーも知ることができるのが一般的です。職業、見た目、性格、年齢などが該当します。一般的なキャラクターのパーソナルデータにあたるもので、説明するまでもなく必要なものですね。
内容はあっさりしていても構わないのですが、ここで欲を出すならば、「演じてみたい」と思わせるくらい魅力的な何かを見せることを狙うのはひとつの手です。始めから期待は高めてもらいたいですからね。
例:「いつも優しく献身的な先生」
秘密
表の顔に対し、これはキャラクターの設定書を読んだプレイヤー本人にしか知らない情報や設定、その日の行動になります。
この「秘密」を持つことによって生まれる疑心暗鬼と、明かされたときのサプライズこそが、マーダーミステリーの面白さの肝であると言えるでしょう。
これの代表例が「殺害の犯人である」になります。
犯人でないキャラクターにも、いろいろな秘密を持たせてあげる必要があります。その中には、他のキャラクターとの関係にまつわるものであることも多いです。
そして、この秘密は「表の顔」とのギャップが大きいことが望ましいです。「表の顔」とは真逆の、完全に裏切る内容になっても構いません。ギャップがあればあるほど、知った時のサプライズは大きくなります。
例:「生徒と禁断の恋仲にある」
目的
ここでいう目的は、そのキャラクターがゲーム中に成すべき何かです。この「ゲーム中」というのが非常に重要でして、これがロールプレイの軸のようなものになります。
殺人犯の場合は「殺人犯と特定されない」ことがあたります。殺人犯以外のキャラクターは大抵「殺人犯を当てる」ことが目的となるでしょう。そして、それ以外にもいくつか別の目的を持っていることが一般的です。
このふたつのように、対立構造を生む目的を配分するというのはひとつのやり方であり、ある程度のゲーム性を持たせることができます。ただし、勝者はどちらかになってしまう以上、多少バチバチとして空気になりえることは覚悟しなければなりません。
また、特定のアイテム(カード)を所持するというのもよくあります。
そして、これらの目的の多くは「秘密」に関わるものにすることが良いでしょう。「表の顔」の方でも構いませんが、薄味な目的にならないように注意する必要があります。
例:「生徒との関係がばれないようにする」
他に大事なこと
以上の3つの設定を、ひとことで説明できるくらいには明確なものにして持たせてあげる必要があります。(最も、説明するとネタバレになってしまうので注意しなくてはなりませんが)そうすれば、演じていてやりがいのあり、楽しいキャラクターに仕上がることでしょう。
実は、これらの設定には重要な前提があり、それは全体のストーリーと密接に関係していることです。そして、そのストーリーがまずしっかりしていることで、設定も活きることになります。家の建築に例えると、まずは床下の基礎工事がしっかりしている必要がある、というイメージです。
ここら辺のノウハウは、また別の機会にお話しすることとしましょう。今回はこのあたりで。
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