マーダーミステリー制作こぼれ話① コンポーネントの用意のしかた

こんにちは。藤野将壱です。

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SFマーダーミステリー『ドクター・テラスの秘密の実験』というゲームを制作しました。おかげさまで好評いただいています。

そこで学んだこと、培ったノウハウを共有するため、note記事の執筆をしようと思い立ちました。コロナウィルスの影響で家に籠らざるをえない方へ、創作の一助になれば幸いです。

第一回目の今回は、軽い話題からということで、ゲームのコンポーネント制作についてお話します。内容ではなく、モノとしてどう作り用意すればいいのかについてです。意外とどうしたらいいか分からない方、いるんじゃないかと思います。ドクター・テラスでの実践例もまじえてご紹介します。

作品の前提

まず、作品を世に出す上での前提は、数人のゲームマスターの元での公演を想定し、少部数での用意をすることとします。パッケージを量産して販売するやり方とは異なります。

また、ゲームの内容は現在の日本におけるマーダーミステリーでのスタンダードとなっている、オープン型(会話の内容が自由、カードを用いることが多い)とします。

必要なコンポーネント

公演をする上で必要となってくるものは、下記の3つです。他にも筆記用具や名札入れなど細かいものはありますが、作品の特色が出るものに限定してお話しします。

① 設定書
② カード
③ 調査トークン

設定書

設定書は、各キャラクターの当日の行動や、明かされていない秘密が書かれているものです。一般的に、読み物としての形状をしています。読みやすい文章、レイアウトを心がけると遊びやすくなります。

設定書の作り方

用意するもの
① レールファイル
② pdfなどのデータ
③ (家で印刷するなら) 印刷用紙

ビニールでできた差し込むタイプのファイルを利用される方はよく見受けられますが、わたしは断然、レールファイルがオススメです。

Amazonにもありますが、ダイソーにあるやつだど、4つセットで100円と安いですし、品質も悪くないです。

レールファイルは両面が透明のため、表紙が見えるという大きなメリットがあります。どのキャラクターのモノなのか一目瞭然ですし、ちゃんと作りこめばSNS映えも狙えます。

また、両面印刷で見開きにすることも可能ですので、厚みを抑えられるというのも良いです。設定書はゲーム中、持ち運びをしますからね。

用意したpdfを印刷する場合、コンビニやキンコーズでやるよりも、自宅のプリンターでやる方がコストパフォーマンスが良いでしょう。また、印刷用紙が選べるというメリットがあります。

わたしが本公演で選んだ紙はこれです。厚めで発色が良いので、高級感のある仕上がりになったと思っています。

各キャラクターの分を用意するのはもちろん、ドクター・テラスではゲームマスターが読むための冊子も、レールファイルを利用して用意しました。

カード

カードは事件の謎を解くための、もしくは別の事象に関する、様々なヒントや物証が書かれているものです。表面と裏面の両方をデザインする必要があります。

カードの作り方

以下のものを用意します。

① 両面をデザインしたpdfなどのデータ
② 印刷用紙(コンビニなどのプリントで代用可能)
③ カットするもの
④ 無地の厚紙カード
⑤ カードスリーブ

まずカードをデザインしたデータですが、表と裏面を長辺で繋がったものを用意します。

note用サンプル

大きさは、今回はひとつの面で 88mm x 63mm(データのサイズとしては、幅126mm) としました。ポーカーサイズのトランプとほぼ同じ大きさです。これに合わせて、無地カードとスリーブの大きさを用意する必要があります。

印刷物をカットするときは、両面のつなぎ目を切らないようにしてください。また、こちらのようなまっすぐ切れるものがあると便利です。ハサミと比べ、作業効率が段違いに良くなります。

印刷物をカットしたら、繋ぎ目を山折りにします。これでとりあえず、両面のカードができました。しかしこれではさすがに強度が心もとないです。

そこで、無地の厚紙カードを間に挟み、スリーブに入れます。これで強度の問題はクリアできます。これでだいぶカードっぽくなり、パッと見は手作りということが気にならない程度のクオリティのものは出来上がります。

これを枚数分やります。数十枚にはなるかと思いますが、根気をもってやりとげましょう。

ちなみに、ドクター・テラスのカードはテストプレイまではこの手法を採用し、本公演向きには印刷会社に発注しました。

選んだのはこちらの会社です。ここに決めた理由は、種類に限らず合計枚数で金額が決まることです。今回のような少数多種類の印刷には向いており、比較的安く済ますことが出来ると思います。

とはいえ、カードの印刷は数万の出費にはなるので、本公演でも前者の手作りバージョンでやるのは、まったく悪くない選択だと思います。実際、店舗でも厚紙に印刷物を貼り付けたようなカードでやっている公演は観測しています。

調査トークン

カードを取得するために必要なポイントです。作品によっては必要ではないかもしれませんね。

これに関して語ることはあまりありません。小さくて手に取りやすいものでしたら、おはじきでもなんでもよいでしょう。クリアな素材を使う場合は赤など、卓上で目立ちやすい色が望ましい、という意見を聞きました。

ドクター・テラスでは、こちらの宝石状のトークンを採用しました。作品のイメージカラーに合わせ、水色にしています。

以上で「コンポーネントの用意の仕方」についての紹介を終わります。

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