マーダーミステリーやTRPGで使われる「ロールプレイ(RP)」の慣例的な意味合いを真面目に考えてみる

前回、こちらの記事を投稿したところ思った以上の反響をいただき、概ね同意していただいたり、納得感のある内容を書けたという感触がありました。

主な言いたいこととしては「RPの定義する意味は広いので、真に意味するところを具体的に記述した方がいいよ」ということでした。

しかしながらそれから数日経った今、ちょっと言っていることが一方的過ぎたんじゃないかという点において反省しており、今回の記事を投稿するに至ります。

テーマは「マーダーミステリーやTRPGで使われている、RPの慣例的な意味合いについて」です。

「こういう行動はよくRPと言われる傾向にあるな」というのを3つ、例として挙げ、そこから考察したいと思います。

言葉というのは多様な使われ方をしたり、意味合いが時代を経るにつれて変わっていく、というのはままあることで、それは受け入れるべきことです。わたしもよく「ヤバい」を良い意味で使いますしね。

あくまで僕がプレイヤーやシナリオ制作者として、マダミスやTRPGの文化に触れている経験による分析になりますので、それを正しいとする裏付けは何もありませんが、一意見として真面目に考えてみたので、興味のある方は是非ご覧いただきたいと思います。

①芝居がかった表現

これは前回の記事でも取り上げました。まるでドラマや舞台の俳優のように、さもそのキャラクターが喋っているかのようなセリフを言うことです。一般的な意味合いの「演技」と言えばほぼ伝わるでしょう。シナリオから提示された決まったセリフを読む際もそうですし、主にアドリブでセリフを考えることが多く、その言葉選びやタイミングをはかることも含まれます。

これはRPにおける華形とでも言いましょうか、とても見栄えがよく派手なRPであると言えます。「あの人のRPは素晴らしい」と言われる場合、この表現が上手であるケースが多いのではないか、考えています。

②損得抜きに選択された行動

例えば、TRPGのパーティーにおいて、キャラクターのひとりが致命的失敗を出してしまい、あなたのキャラのHPを減らしてしまった、という事態が起きたとします。その後に、何かの拍子に「さっきのお返しだ」と言わんばかりにわざとその味方に攻撃を仕掛けてみた、という場面があったとします。

この意図的に味方のHPを減らす、という行動はゲーム的には基本的にはマイナスであり、攻略の難易度が高くなる方に振れます。しかし、その行動によって笑いが起きたり、良い雰囲気が醸造されたとしたら、ゲーム的には後ほど苦しい展開になるかもしれませんが、それはそれで良いRPだったと言えます。(そのキャラクターがHP減少がトリガーによって発動するスキルを持っていた、などのプラスの面があったりすると、それはとてもナイスなRPと言えますね)

このように、キャラクターの性格や心情、その場面の雰囲気を考慮した結果、ゲームの目的とは無関係な意図をもって起こした、得になるとは限らない行動も、慣例的にRPの意味合いとして使われる傾向があります。

TRPGを例に出しましたが、マーダーミステリーにおいてはこのような極端な例は少ないかもしれません。なぜならば、マダミスはキャラクターごとに目指すべきところそれぞれで異なり(=協力型ではない)、目的とキャラクターとしてやりそうな行動が一致していることが多いからです。

③衣装を用意するなどの雰囲気作り

よく担当したキャラクターのコスプレをしているマダミスでの集合写真をTwitterでよく見るのですが、あれとても楽しそうでいいですよね。

衣装や小道具を用意したりというのは、そのゲーム性には基本的に影響しません。しかし、それによって良い雰囲気が醸造されたり、周りから見てどんなキャラクターなのかイメージしやすくなったりするならば、それは立派なRPであると言っていいのではないでしょうか。

TPRGにおける、キャラクターの立ち絵を描いたりとか、名前や設定を考えたりするのも広義の意味においてここに含めてもいいのかもしれません。

まとめ:慣例的な意味でのRPとは

まだまだあるような気はするのですが、いったん思いつく範囲で3つ例を挙げました。以上のことから「慣例的な意味合いで使われるRPの意味合い」のまとめとして

そのキャラクターや場面を考慮して選択された、雰囲気に影響を及ぼすアウトプット

というのをひとつの案として挙げたいと思います。

アウトプットというのが肝でして「周りに何かを感じさせることができた行動」というのが、今回挙げた3例の共通点と言えると思います。

こう考えると、「RP重視」という言葉もイメージがしやすくなると思います。つまり、みんないろんな方法でどんどんアウトプットしてね! という意味合いとして捉えれば、どういうプレイスタイルの人が向いているか、どんな雰囲気になるのかイメージできるのではないでしょうか。

前回の記事で、わたしは「内向的な行動もRPに含む」ということを言いました。今回のこの結論はこれと矛盾するように見えますが、現在の定義としてのRPと、慣例的に使われているRPの意味合いの違い、比較として捉えていただければと思います。つまり、どちらの使い方が絶対的に正しいということではありません。どちらの意味合いも理解しておく、というのが大事かなと思います。

いろんな使われ方をしているという点を踏まえて、その場の雰囲気や話し相手によって、その認識を幅広く持ってみてもいいんじゃないかと。そうすれば、コミュニケーションゲームであるマダミスやTRPGが、もっと楽しくなるのではないかと思います。

今回の話は以上です。

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