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自分の価値は他人からの評価では測れない
アダルトチルドレンは、対象は様々ですが依存的である傾向があります。
そして、特に人間関係において依存体質になりがちなアダルトチルドレンは、他人から評価を得ることや他人を助け、その相手から必要とされることに自分の存在意義を感じることが多くあります。
「ありがとう!」
「さすがだね!」
「すごいね!」
「やっぱりあなたじゃないと」
このような言葉をかけられることは、もちろん誰でも嬉しく思うことではあります。
しかし、アダルトチルドレンはそれらの言葉に異様なほどに反応し、喜びを感じます。
とくに4つ目の言葉は、アダルトチルドレンにとっては最大級の言葉であり、"自分が存在している"という気分を感じられるのです。
誰かから自分を求められることこそが、自分の価値を示すものだと思い込んでおり、また、求められない自分は価値がないのだと感じ、他人からの好意や評価に自分の存在意義を委ねているため、そのように捉えられる言葉をかけられることに大きな意味を感じるのです。
このような思考になってしまうのは、子どもの頃に、親にとって都合の良い結果を出したときや振る舞いをしたときにばかり、褒められたり良いリアクションをされてきたことが原因の一つでしょう。
また、その逆に、親にとって都合の悪いことや、周りから良くないように思われてしまうと親が思い込んでいることをした時に、強く非難されたりや侮辱と受け止めてしまうような言動を受けてきたことが少なくなかったのだと思います。
そのような環境で育ってきたアダルトチルドレンは、人の反応に対して過剰なほどに敏感で、相手から求めらていると感じられる言葉を得ることによって自分の価値を測ろうとしてしまうのです。
親との関係に限らず、友達や恋人、職場の人たちとのあらゆる関係において、
自分のしたことに対する相手のリアクションを見て、自分の振る舞いが正しかったかどうかの答え合わせをしてしまうのです。
そして、相手から自分のことを評価されたり、相手にとって必要な存在だと感じられる言葉を得ることから、自分の満足感と自分が存在していることに対しての安心感を得るのです。
特に恋愛関係においては、自分の存在に価値があると思わせてくれる相手との依存的な恋愛ばかりを無意識に好みます。
相手に何かをしてあげることや、相手のことを自分の生活の中心に置き、自分のことより相手のことばかりに時間や思考を費やしている状況を好み、無意識のうちにそのような関係を作ってしまうのです。
そして、自分が必要とされているかどうかを言葉で伝えてもらえない状況や、相手一人で自立して生活をしているような状態のことを不安に思ってしまうのです。
相手にとって自分が必要かどうかが、自分の思う形でわからないために、自分自身が存在する必要があるのかどうかまで不安に思ってしまうのです。
このように、相手がいないとダメなんだと過度に感じてしまったり、そう思ってもらえることだけを生き甲斐としてしまっている恋愛は依存的であると言えます。
人生の中で人との関わりを断つことはできませんが、あなたの関わる人たちからの評価を得ることがあなたの価値を示しているのではなく、あなた自身が存在すること自体に既に意味や価値があるのです。
他人に求められるということや恋人がいるということが、あなたの価値を測るものさしになる訳ではありません。
まずは何よりも、あなたがあなたらしくいることが一番大切なことなのです。
そして、自由に振る舞うあなたのことをかけがえのない存在だと感じてくれる人がいるはずです。
あなたらしく居られる過ごし方ができるようになり、そう感じてくれる存在と出会うまでは、あなたが我慢して居なければならないような人と一緒に過ごしたり、相手から好かれよう必要とされようと他人に尽くすことに時間を費やすのはやめましょう。
人目を気にせず過ごすことは、アダルトチルドレンにとってとてもハードルの高いことだと思います。
しかし、誰かからの評価を求めて過ごすよりも、自分の好きなことをして、日々を心地よく感じながら過ごすことの方がよほど意味があることなのです。
小さなことからでも良いので、自分が好きなように過ごす時間を作ることが、その先のあなたの人生を彩るための基盤を作っていくことに繋がります。
自分の人生を生涯共に過ごすのは自分だけです。
あなた自身が自分のことを認めて褒めたり、時には慰めたりしながら、あなたが一番にあなた自身ことを大切にしてあげてくださいね。