ストレスの2つの種類
ストレスには2つの種類があります。
"慣れたストレス" と "新しいストレス" の2つです。
"既に知っている形として現れるストレス"
"知らない事柄に対して起こるストレス"
と言い換えても良いでしょう。
慣れたストレス…
「過去に同様のストレスを感じたことがあり、対処法や何となくの展開が経験上推測できる」状態で起こるストレス
新しいストレス…
「これを選んだ先の行末がわからない、自分がどう対応したら良いかもわからない。それ故に漠然と、そして得体の知れないように捉えられるストレス」という状態で受けるストレス
人は未知の物事は怖いと認識し抵抗感を持ってしまうのです。
慣れたものや既知の物事の方が安心だと感じるので前者のストレスを選んでしまいがちです。
何となく勝手がわかるので不安が少ないのですね
そして、アダルトチルドレンに関しては特にその傾向が顕著です。
なぜアダルトチルドレンは慣れたストレスを選びがちになるのか
初めてのことに対処できる自信がないことが原因の一つでしょう。
「どうせ出来ない」
「こっち(いつもと同じもの)の方が良いに決まっている」
と親に言われてきたことが、自分の意識の中に無自覚に根付いてしまっているのです。
また、敷かれてきたレールを歩かされてきた人たちも、そのレールの外に出ることを過剰に恐れてしまうのです。
また、親が支配的なアダルトチルドレンは親の目の届く範囲から出ることを否定されたことが何度もあるでしょう。
経験がないことで、さらに知らない世界は危ない、怖いものだと親に言われてきたことで、必要以上に恐れを感じている可能性が高いのです。
新しい選択をすることは、誰にとっても最初は不安であるものです。
それはアダルトチルドレンであっても、そうでない人にとっても同様です。
しかし、その不安な心境や不安定な状況に耐えられる力=ネガティブ・ケイパビリティをどの程度携えているかという差が、新しい選択をすることができるか否かに大きく寄与しています。
「なんとかできる」「なんとかなるさ」と心から思うことができ、自分を信じる力
が弱いとも言い換えられるでしょう。
アダルトチルドレンはそうでない人と比較するとネガティブ・ケイパビリティが弱いのです。
新しいストレスの正体
"新しいストレス"の中には"知らないことが理由で勝手に見出してしまうストレス"というものが存在します。知らないから怖いと感じたり警戒してしまうという状態です。
そのストレスの感じ方は誰にでも起こり得ますね。
知らないものは怖いものです。
「どんなもんだろうか…?」と想像もできないのですから。
慣れたストレスを我慢する方が楽なように感じるのです。
先ほどの理由により知らないものに対して自分が対処できるかと過剰に不安になりすぎるアダルトチルドレンは、特に慣れたストレスを選びがちです。
慣れたストレス、知っているストレスの方がストレス具合ではハードルが低く感じて消去法で選びがちです。
しかし、慣れたストレスを選び続ける先に新しい道がある可能性は残念ながら極めて低いと言えるでしょう。
知らない世界を進んだ人だけが、新しい世界を知ることができ、手に入れることができるのです。
新しいストレスはもしかしたら「正体を知らないことが理由となって感じているだけのストレス」なのかもしれません。
「わからなくて怖いから」
「私に対処できるか不安だから」
という理由であなたの世界を狭めてしまうことはもったいないです。
人は慣れる生き物です。
最初こそ、怖くて不安が強いかも知れません。
しかし、「エイヤッ」と意を決して飛び込んでみたら、意外にもあなたにとって知ることのなかった快適空間が待っているかも知れないのです。
日常で新しいストレスへの抵抗を少しでも減らす訓練
かと言って、
「人生の一大事で今すぐにでも新しいストレスを選択してみましょう!」
そんなことは酷すぎるともちろん思いますし、私でも選ぶことはためらいます(笑)
新しいストレスを選んだ先を少し日常の小さなことから垣間見てみるために、またその選択に慣れるために、ポジティブな新しいストレスを自分に与えてみる練習をしてみましょう。
・いつもと違うメニューを選んでみる
・いつもと違うお店を選んでみる
・いつもは選ばない道を歩いてみる
・降りたことのない駅に降りて散歩をしてみる
・自分から挨拶をしてみる
・普段話さない人に声をかけてみる
・わからないことを誰かに質問してみる
新しいストレスは日常にたくさん散りばめられています。
そのストレス具合が小さい状況もあれば大きな状況もあります。
大きなものから始めなくて良いのです。
小さなものから少しずつ手をつけ始めてみて、だんだんと新しいストレスの存在に慣れていけば良いのです。
気が付けば「新しいストレスを選ぶこと」がいつしか「慣れたストレス」に変わっていくで
しょう。