かわいい父と激しい母と私の介護日記(34)
葬儀の事前相談
あと、2〜3ヶ月くらい。父の寿命だ。
母も私も覚悟している。
「葬儀屋さんに行って、今のうちに準備をしておきたい。」母が言った。まだまだそんな事、考えたくない私。
「私、行かない。兄ちゃんと2人で行って来て。」
「そんな事言わないで、一緒に来てよ。家族みんなで相談することでしょ!」
さすが、母は肝が座っている。現実を受け止められない私は、葬儀なんて出ないで旅行に行って、逃亡したいと思っている。
ウチの残念な兄だけでは不安という母の説得により、仕方なく葬儀屋さんへ連絡し、事前相談の予約を入れた。
当日、母、兄、私の3人で葬儀屋さんを訪れた。丁寧な担当者とご挨拶をして、まずは状況確認。
【ご心配な方】の欄に父の名前が入る。
家族構成等の確認をしながら、書類を作成していく。
「まずは、亡くなってからの流れを教えて下さい。」と母。
我が家は在宅で看取るので、医師が来て死亡診断書が出たら、葬儀屋に連絡する。
ここから、たくさんの選択をしていく。
①家族葬か、一般葬か?
②通夜、告別式を分けて行うか?
1日で行うか?
③お寺はどうするか?お墓はどうする
か?
コロナをきっかけに、家族葬で1日で通夜告別式を一緒に行うケースが、増えているらしい。
我が家は、母の意向で一般の方も参列して頂きたいので、2日に分けて行う選択をした。
その後、葬儀壇、お棺や骨壷を選んだりして、見積もりが出た。
新車が買えるようなお値段に、びっくりする。知らなかった、葬儀ってこんなにかかるのか。
母はなんとなく、これくらいかな?とは思っていたそうだ。
こんな事を相談しながら、私はまだ葬儀に出る気持ちになれない。
火葬が耐えられない。父が焼かれてしまったら、もう会えない。火葬の事を考えると、涙が止まらない。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?