2021、すっぱい迎春
2021年、それはとてもすっぱい年明けだった。
大みそかは、カウントダウンで一騒動ありましたが、家族揃って、楽しい年越しを過ごしました。
そう、年越しまでは………。
年越し後も、ゆるやかにビールを飲んでいて、お酒弱くなったかな?と思うほど、鈍い頭痛がしていたのですね。
2021年ほやほやの1時頃には、手足や腰にまで倦怠感があって「何かがおかしい……、年末の疲れが出たかな?」と違和感を感じていました。
それまでピンピンしていたので、まさか自身に何かが起きる、元旦を迎えた瞬間に何かが起こるなんて、微塵も考えていません。
しかし、布団に入った瞬間、そのまさかを受け入れざる得ない状況に‥‥悪寒、発熱、身体の痛みがひどく、熱を測ると38.8°
朝を迎えましたが、体調は悪くなる一方です。
あけましておめでとう!さぁお年玉です!
今年は何を頑張りたい?
と毎年、恒例の元旦、家族夢話もできません。
奥さんと相談して、ウイルス系の発熱に違いないだろうということで、子どもたちに留守番してもらい、休日診療を受診することに。
病院に到着した事を電話すると、医師が車まで来てくれて車内で、問診を行います。一通り問診を終えると、すぐに医師から「PCR検査を受けたほうがいい」と言われました。
「えっ、もう?インフルエンザとか他の病気の可能性はないのですか?」と聞いてみると
「今は症例がほとんどないから可能性は限りなく低いね。それよりも今の感染力を考えるとPCRを受けた方がいい」との事でした。
1週間のインフルエンザ発症数 たしかに全くない。※厚生労働省HPより
紹介状と解熱剤をもらって、自治体のドライブスルーPCR検査施設へ。
濃厚接触者の確認など細かいヒアリングがあり、その後、看護師さんが、PCR検査キットを持ってきました。
唾液によるPCR検査です。この容器のマジックペンの線まで唾液が必要です。
「この線まで泡じゃないような唾をたくさん出してください」と看護師さんは言い、バインダーから、さっとA4サイズの紙を出して、私にそれを渡してくれました。
実物
すっぱっ!!薄目で見ないと唾液が……
「これで想像力を高めてもらって、たくさん唾液出してください。溜まったら、また電話で教えてください」と言って笑顔で立ち去っていきました。
「は、はい……」
まさか、こんなものが出てくるとは……
と驚いている私を尻目に奥さんは、
「それ終わったら欲しいな。もらえるんかな?聞いてみて。玉ねぎ切る時にね、これ見ながら切ると涙が出ないらしい。知ってた?すごくない?涙腺に涙が溜まらなくなるんだって!すごいよね!キッチンに貼っておきたい!」
意識が朦朧としている時でも、誰かの熱の入っている言葉は、自然と頭に入ってくるもの。
奥さんの逞しさに感心しながら、本当にすっぱい正月になったなと梅干しを見ながら、唾液を出し続けました。
すごく不安な検査も、フレンドリーな看護師さんのおかげで少し気持ちが楽になりました。本当に大変なお仕事だろうにありがたい。
結果は2日後、検査施設から直接電話がありました。
検査の結果は陰性。
ホッとしました。
しかし、いろいろ考えさせられた正月でした。
予兆もない突然の体調不良。
もし自分が、家族が、感染していたら。
今も苦しんでいる方は、たくさんいる。
他人事ではない。
自身の身を守ることは、大切な人を守ることにも繋がるということを忘れてはいけませんね。
3日後には、完全に熱も下がり元気になりました。
元旦にこんな事があるなんて‥‥
何かを変える年なのかもしれません。20年以上お世話になっていたタバコさんともサヨナラしました。
すっぱい、とてもすっぱい正月になりました。
あの時は大変だったけど、いい年になったね。と家族で振り返ることができる1年になればいいですね。
冷蔵庫に貼られた梅干しとレモンは、今年1年、奥さんの言うとおり、とっておこう。
そして、玉ねぎも切ってみよう。