私の10万円はどこにあるの?
「私の10万円はどこにあるの?」
みんなで夕飯を食べていた時、次女が突然こう言いました。最初の特別定額給付金をいただいて少し後のことでした。
たしかにあなたがいたからもらえた10万円に違いはない。でも私の(使える)10万円なわけでもない。
次女は、4人の子どもに対し、40人の諭吉さんがもらえたことも知っているし、10万円が自分のものにならないことも分かっています。
友達との会話の中で、小遣いとしていくらかもらったとか……全額もらった子もいたとか……中にはゆとりがある家庭もあるわけです。
「これからたくさんお金かかるんだから……」
奥さんが伝えるや否や娘は、これなら買ってやってもいいか……と思えるようなものを上手に催促してきます。
我が家のお財布事情を探るためのかけひきでしょうか。まずは、高めの数字から攻めていく仕事でも使えそうな交渉術。
ちなみに中3長女はもっとかけひき上手。
恥ずかしい話ですが、子どもたちも親を見て育っています。親のけちけちマインドが染みついているのか、みんな貯金大好き。
お小遣いもあまり使おうとしません。
「300円とかないわぁ」と映画館のジュースが高い件について、娘たちが節約主婦のような会話をしています。
あ、息子は違うな。お小遣いもらった瞬間から、デカビタC飲んでるパーティーピーポー。
姉妹はというと、スタバのフラペチーノ飲むのを楽しみに貯金しています。私や奥さんよりきっとたくさん飲んでいる。
彼女たちなりに、どうすればお金を賢く楽しく使えるか真剣に考えているようです。
この辺は、子どもが増えていくに連れ、工夫を重ねてきた奥さんの影響でしょうね。
こんなエピソードがあります。
子どもたちがまだ小さい頃、ニンテンドウ3DSをみんな欲しがりました。すると奥さんが段ボールで工作し、DSを3台作りました。
「これで通信できるで」
最初は、子どもたちもポカンとしていましたが、どうにかして笑いをとらなきゃと忖度してくれたのかしばらくの間、エア3DSを楽しんでいました。
それを見た友人が「あまりに不憫」と爆笑し、クリスマスに自分が使っていた3DSをプレゼントしてくれたこともありました。
本物が手に入ったときの子どもたちの喜び方はすごかったなぁ。今となってはいい思い出。
昨年のクリスマスも子どもたちと一緒にケーキ作り。
ロールケーキで作るケーキツリー。
ケーキ屋さんのものには、味も見栄えもかなわないけど、子どもたちにとってはプレイスレスな価値がある。私も手作りのケーキ食べると何だか落ち着きます。
このように奥さんに教育された子どもたちがお金に対してシビアになるのは当たり前かもしれません。
特に次女は、遊びにいくのに水筒を持って行ったり、お小遣い帳をつけたりとなかなかのしっかりもの。でも、誰かの誕生日となればプレゼントは必ず準備する太っ腹女子。
お金の使い方を親より知っている……。
仮に「私の10万円」を手に入れたとしても堅実な次女はすぐに預けに来るんだろうな。だからこそ「10万円をどう使うんだろう?」と純粋に気になったのかもしれません。
子どもたちは、毎月、何十人もの諭吉さんが消えていくことは知らないし、一時期、仕事も芳しくなく収入が大きく下がっていたことも知りません。
でも大家族で生活するには、それなりにお金がかかることは理解してくれているようです。これだけケチケチしてりゃ当然か……。
子どもたちには…
我慢させてしまってるんだろうな。
お金がなくても楽しく暮らせるさ。
この2つの気持ちが、日々、しこを踏んでがっぷり四つ、取っ組みあっています。
でも大家族だからこそ、伝えることができる幸せがきっとあると思うのです。それは、すごく身近にあって、ささやかなものですが、想いが少しでも伝わってりゃ嬉しいですね。
前回の給付金は、何に使ったのかもよく分からないまま生活費として消えてしまいましたが、昨年末に追加でいただいた子どもたちへの給付金は
「私の10万円どこ?」
と言われても大丈夫なように大事にとっておいています。お金のことをもっと知ってもらうために、子どもたちに見えるような形で使わせていただこう。
2022年もお金大好き。仲良く、でもとらわれず、楽しく暮らしていきたいものです。サポートも大歓迎です💛