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自由に生きたい

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不自由に関する雑記をまとめていきます。
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2024年10月の記事一覧

あきらめ上手

↑前回の続き。「教育」を考える第四回。 爪と牙を持つ人が社会の中で共存を望んでいないとは限らない。人間はそれほど単純ではなく、他人の自由と競合する以前に、自身の中にも矛盾を抱えている。本当の自由なんて、最初から存在しないのかもしれない。 初めて何かを諦めたのは、いつのことだったろうか。 満腹で食後のケーキを食べられなかったこと? 遊び足りないまま日が暮れて、家に帰るしかなかったこと? いや、それよりもずっと昔に、人生で最初の諦めを経験しているはずだ。 何を諦めたのか。

爪と牙

↑前回の続き。「教育」を考える第三回。 羊しかいない世界なら誰もが自由に生きられる。しかし、気の毒なことに虎や狼のような肉食の性質を持って生まれてくる人たちがいる。ここで言う肉食とは他者の犠牲が必要なことを指す。 人の大切なものを力付くで奪い去る以外にも、競争によって限られた椅子を取り合うような行為も広義の肉食と言えるだろう。欲しがる人が多いほど価値は高まり、勝利の美酒に酔うために敗者の存在が必要になる。 社会通念上、略取は悪であり、公正な競争はむしろ称賛されるが、今回

羊の皮をかぶった何か

↑前回の続き。「教育」がテーマの第二回。 願わくば自由に育ってほしい。生まれ持った感性にのみ従い、これから始まる長い人生を伸び伸びと歩んでいってほしい。僕に子供はいないが、僕もかつては子供だった。だから親目線というよりは仲間意識のような目で見ている。 僕がわりと自由に生きられたのは親や環境のおかげもある。が、それ以上に生まれ持った感性が社会に対して親和的だったところが大きい。内向的な性格ゆえに、求める自由の先に社会と衝突する部分が少なかった。 中学校では前髪が眉毛にかか