教師の役割
余命宣告を受けたモリー教授は、
教え子のミッチに対し、自宅にて、
人生最後の講義をした。
毎週火曜日の朝食後にはじまる
講義のテーマは、「人生の意味」。
経験をもとに語られる講義であった。
単位はもらえないが、毎週口頭試問があり、先生の質問に答えなければ
ならないし、質問も求められる。
参考図書はいらないが、題目は、
さまざまで、愛、仕事、社会、家族、老い、許し、最後は、死にまで及んでいた。
死を目前としているモリー教授の
言葉は、示唆に富んだものだった。
たとえば、
「われわれのこの文化は、人々に
満ち足りた気持ちを与えない。文化がろくな役に立たないんなら、そんなものいらないと言えるだけの強さを持たないといけない」と喝破するのである。そして、次のように補足するのである。
「自分なりの文化を築くというのは、こういうことなんだ。社会のルールをすべて破れなんていうつもりはない。たとえばの話し、裸で外を歩き回れないし、赤信号でもつっばしるわけにはいかない。小さなことはルールに従ってもいい。けれども、大きなこと。どう考えるか。何を価値ありとみなすか。これは、自分で選ばねばいけない。誰か他の人、あるいは社会まかせじゃダメだ。」
モリー教授の墓石の言葉は、
「死するまで教師たりき」であったという。
教師とはいったい何か?
これを考えさせられるのである。
なぜならば、「教師は、未來永劫に
まで、力を及ぼす。影響がどこで止まるか、自分でもわからない」
~ヘンリー・アダムズ~
大事な役割を担っているからである。
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