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Arrabbiata気分

寒さもいよいよ去るか 覗き始めた地面 芝の青さ眩しく
凍てつく寒さが過ぎゆく頃 ふと泣きそうになっていることに驚いた
あれほどに堪えた冬をどこかさみしく感ずる 気ままな春風のギフト

朝まだき鳴き交わす鳥たちの愛らしい声 雪が降れど春は近い
季節のはじまりには心踊るものだが 辺りはしんとした色あいのまま
太陽が顔を出す時間が長くなり 空は青く 赤い実が日に輝いて
紫木蓮の蕾ふくふくと まばゆいラッパズイセンとスミレが開いた

白く覆われた町の しんと静まる気配が遠ざかってゆく
一頃には誰ともすれ違わなかった公園 ざわめきに満ち 埋まる駐車場
部屋にも虫たちが訪れ出した 草木も人びとも待ち侘びた季節
わたしは春の子 軽やかになったこころもアラベスク こぼれる歌
続く雨があがる頃には あたらしいわたしたちになっている

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芹沢 沓胡
Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛