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明けきらぬ黒を上昇し 暁を滑り出した機体 星々の粒は消え 黄と水色が手を取り合う 月が笑…
シナモンのかぐわしさに 寒風を歩いた身体がぢんわりと温まる 秋が内側へ入り来た ふたつの日曜日では足りない街 フリーダ=カーロの伴侶 四面に描かれた壁画の 白い彼女はしあわせさう 黄色の女性は哀しさうと問えば そんなことを言ふ人ははじめてと 夜をさっさと往く 道端から囃す声 ささやかな灯り漏れる半円扉を押す 空間は夢のやう 円天井の拡がり 端々まで滲みた音が降り注ぐ 絶え間なき反響 昇りゆく泡に柔らかな光が落ち 仕合わせが満ちあふれる チェロが響き 重なるドラムに呼
思いびとからの愛の言葉が不足したなら スーパーの陳列棚のあいだで 電話片手に商品を見やる…