初めまして、藍色の猫と申します。 どこかで見たことのある名前だなと思った方、恐らく思ってる人で正解だと思います。静かにスルーしていただけると嬉しいです。 ここは私の小説を置く場所になっています。 私の大切にしたかった色の名前である彼ら、そして一緒に沈もうと約束した彼への懺悔であり、執着であり、後悔である【これ】を小説という名の嘘の世界に私の気持ちを混ぜて書きます。みんなに届いてほしいと思っている傍ら、届いてほしくない、見つかりたくないとも思っています。 更新は不定期になり
目を覚ました私は寝返りを打ち、身体と共に寝ていた脳みそを無理に叩き起こす。寝る前に何を思って何を考えて何時に寝たっけ、と脳を回転させるけど何も思い出せなくて結局まあいいや、なんて思考を放棄する。 再び寝てしまおうと目を閉じたところで寝る前の感情や思考が一気に流れ込むような感覚に襲われて急いで目を開ける。 「あー」 身体を起こして出た第一声は濁点のついているだろうものだった。思い出さなければ良かったという言葉を飲み込み、頭をブンブンと振る。 どのくらい体育座りになってボ
#007BBB 自転車に跨って、イヤホンから音楽を流した勢いをそのままに目の前の下り坂をノーブレーキで下っていく。夏と呼ぶにはまだ少し早いような肌寒い風は私の髪を撫で、頬を撫で、私なんか見えていないかのように過ぎ去っていく。 下りながら見える少し高い建物も山もオレンジに反射して私の目に飛び込んでくる。つい数分前まで教室から眺めていた木に反射する日の光とはまた違った輝き方をしていてどちらも好きな景色だと改めて感じる。 イヤホンから流れる曲は私がいつかの春に【#007BBB
当たり前のように付けていたイヤリングをテーブルに置き、昼間買ってきたピアッサーを耳たぶに当てる。一つ息を吐いた私は思い切って握る力を込める。 ガシャン、と音が響いた私の耳には穴が開いている。そして反対の耳にも同じように穴を開ける。 開けた穴をろくに確認することなくテーブルに置いていたイヤリングを台紙につけて写真立ての隣に並べる。 写真立てを眺めた私は鏡でピアスを確認する。ピアスを付けた私を見て改めて思う。 『私に藍色は似合わない』と。 緊張感漂う廃都に藍の歩く音が